研究課題/領域番号 |
10450222
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
片岡 正喜 大分大学, 工学部, 教授 (70038438)
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研究分担者 |
鈴木 義弘 大分大学, 工学部, 助手 (30244156)
雨宮 克彦 総合ケアセンター泰生の里, 総長
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キーワード | 高齢者 / 特別養護老人ホーム / 痴呆 / 行動特性 |
研究概要 |
本年度は、本研究の初年度であり、まず関連の参考文献を集め、共通テーマの研究者から意見および資料を収集し、研究の進め方について検討した。また、そのために予備調査として参考となる施設を訪ね、調査研究について意見を聞き、痴呆性老人の観察をし、本調査を実施した。 本調査として、痴呆専用特別養護老人ホーム2施設(大分県別府市・宇佐市)において、精神科医師により典型的なアルツハイマー型16名と脳血管性10名、計26名の対象者を選定。特別行事のない日を選び、6時から21時までの15時間、マンツーマンで対象者の生活行為、滞在場所・動線等について1分ごとに追跡記録し、特徴的な状況についてはビデオまたは写真撮影を行った。さらに、介護にあたる寮母についても、日を改め同様の追跡調査を行った。 調査結果として、行為内容を動的・静的・余暇的・身辺的・基本的・その他の6分類し、一日における行為の頻度(時間)を統計処理し、因子分析等を行い、アルツハイルマー型と脳血管性とでどのような特徴と差異があるかについて考察した。また施設のどの場所でどのような行為を展開しているのかについてもデーター整理し考察した。その結果、最も特徴的な点は、両者ともに静的行為の時間比率が高く、とくに脳血管性に顕著である。これに対し、アルツハイマー型は余暇行為・動的行為の時間的比率が高く、脳血管性では余暇行為でもTV中心となっていることが認められる。また両者ともにホール中心の滞在であるが、アルツハイマー型は廊下・居室の利用率が高く、居室・ホール間の行き来が増えるのに対し、脳血管性はセミホールの利用率が高い。詳細な分析は継続中である。
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