研究課題/領域番号 |
10450228
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
寺内 信 大阪工業大学, 工学部, 教授 (00079518)
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研究分担者 |
佐藤 圭二 中部大学, 工学部, 教授 (90090175)
山本 剛郎 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90068742)
安田 孝 摂南大学, 工学部, 教授 (60029220)
馬場 昌子 関西大学, 工学部, 専任講師 (20067739)
西島 芳子 高知大学, 教育学部, 教授 (60036655)
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キーワード | 都心周辺部 / 長屋 / テラスハウス / コミュニティ / 日英比較 / 建築規制 / 更新制度 / 高齢者政策 |
研究概要 |
19,20世紀における近代産業都市の形成過程での都心周辺部住宅地の顕在化を幅広く長屋建て住宅地として仮定し、日英比較研究として実施した。 イギリスではとくに、リバプール、バーミンガムを主として19世紀後半からのテラスハウス地区の形成過程とその社会経済的背景、および住宅・都市計画制度の成立過程との関連での実態を明らかにした。また、20世紀以降の都市再開発および住宅地更新制度との関係で、いかなる変容をうけ、さらに伝統的住宅地として修復・改善と保存がなされつつあるかについて、第2次世界大戦後の住宅政策の展開過程を含めて明らかにしつつある。 その過程で、住宅改善補助金が中央政府から地域のハウジング・アソシエーションを主とする非政府活動団体に支給され、高齢者対策を含む幅広い地域社会再生活動に結びついていると考えられる。 一方、日本では大阪・名古屋を主として明治・大正以降の近代都市形成での長屋建て住宅地の形成過程を明らかにし、戦後の住宅・都市計画制度の展開のなかでの変容過程を整理しつつある。大阪でも名古屋でも20〜40万戸も存在した長屋が20世紀末にはそれぞれ数万戸を残すのみとなり、都市住宅および住宅地としての記録や現物保存の可能性をさぐる最後の段階にきていることがしめされている。 大阪・名古屋の都市住宅の原型のひとつとして、更新と保存の方向を検討しつつ、都心周辺部住宅地の将来を探る手がかりとして、高齢者住宅制度を含む新たな計画制度の可能性を検討しつつある。
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