研究課題/領域番号 |
10450230
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
前田 康二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10107443)
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研究分担者 |
鈴木 邦夫 長崎大学, 工学部, 助教授 (50107439)
目良 裕 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40219960)
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キーワード | 電子顕微鏡 / 転位 / キンク / 半導体 / 高分解能 / 欠陥 / 電子励起 / 格子像 |
研究概要 |
(1) Ge試料の作成 Ge単結晶から[123]方位に矩形結晶を切りだし、500℃で数%圧縮変形を加えて転位を導入したのち、(111)すべり面に沿って薄片試料を切りだし、化学研磨により電顕観察用薄膜試料を作成した。 (2) 低温ステージによる観察予備実験 JEM-2020に装着した低温ステージを用い、低温(液体窒素)で試料観察を試みた。初期の分解能は問題ないことは分かったが、ステージ冷却に伴い試料室内の残留水蒸気の凝結によると推定されるアモルフォズ状皮膜の形成が観測され、観察が困難になることが分かった。通常の膜厚の試料では問題ない量の皮膜が、極端なほど薄い試料を必要とする本実験では問題となることを意味すると考えられ、試料室の真空度向上の対策が必要であることが判明した。 (3) GaNにおける電子励起転位すべり効果の観測 h-GaNの粉末試料を用い、電子線照射によって転位運動が促進されることを見出した。量的に加熱効果とは考えられず、ワイドギャップ半導体で顕著となる電子励起転位すべり効果がGaNでも起こることを初めて実証した。効果は底面のらせん転位と60°転位、プリズム面の混合転位で認められ、キンクの拡散とキンク対形成の両方が促進される証拠を得た。
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