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2000 年度 実績報告書

ゾル・ゲル法による酸化物薄膜合成における配位子設計とその効果

研究課題

研究課題/領域番号 10450242
研究機関岐阜大学

研究代表者

高橋 康隆  岐阜大学, 工学部, 教授 (00023177)

研究分担者 伴 隆幸  岐阜大学, 工学部, 助手 (70273125)
大矢 豊  岐阜大学, 工学部, 助教授 (80167311)
キーワードデイップ・コーティング / α-ヒドロキシケトン / 2-ヒドラジノエタノール / α-ヒドロキシケトンヒドラジン / ニッケル薄膜 / コバルト薄膜 / チタン水溶液 / チタン酸クラスターアニオン
研究概要

アセトールやアセトインなどのヒドラゾン誘導体は、アルカノールアミンと類似構造をもち、且つ還元性のあるヒドラジンユニットを含むので、金属へのキレート配位子としての効果と同時に還元剤としても働くという二つの効果を併せもっている。したがって、これらの化合物はニッケルやコバルトなどの電気陰性な遷移金属酢酸塩のアルコールへの溶解を促進し、またこれらの溶液から得られるゲル膜を窒素雰囲気下で熱処理することにより電気絶縁性基板の上に直接金属膜を合成できる(特許申請中)。ヒドラジンの誘導体であるヒドラジノエタノールもα-ヒドロキシケトンとの共存下で類似の作用を示す。これらの系から400℃、窒素下でニッケル金属粉体も得られるが、この粉体は六方晶の結晶構造をもつ。これらの知見を基にして、ニッケル金属ペーストの開発について引き続き検討している。
チタンアルコキシドに二級アミン、三級アミンあるいは水酸化四級アンモニウム塩を反応させ、その〓必要な量の水で希釈することにより、ハロゲンフリーで0.5〜1M濃度のチタン水溶液が簡単に合成できることを認めた(特許申請中)。それに対して一級アミンや単純な水酸化ナトリウム、アンモニア、ピリジンなどは対応する溶液を生成せず、沈澱が生じる。これらの結果とその沈澱の分析などから、この反応はチタン酸H_2TiO_3と塩基類との酸塩基反応であること、溶液種はチタン酸が縮合して生じるクラスターアニオンとアンモニウムイオンからなる塩であること、また溶液が生成するためには大きな陽イオンである必要があることが分った。
Al、Si、V、Nb及びTaのアルコキシドも、対応する金属酸のpKaに従って、同様にアミンあるいは水酸化アンモニウムと反応して、それぞれ金属酸水溶液が生成する。これらの水溶液を利用することにより各酸化物薄膜合成が可能であり、新規ゼオライトも開発できるであろう。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Ohya 他: "Preparation of Concentrated, Halogen-Free Aqueous Titanium Solutions"Proceeding of 7th International Conference on Ceramic Processing Science (ICCPS), May 15-18, 2000, Inuyama, Japan. (印刷中). (2001)

  • [文献書誌] Syukri 他: "Dip-Coating of Metal Films from Metal Acetates - Acetolhydrazone System"Proceeding of 7th International Conference on Ceramic Processing Science (ICCPS), May 15-18, 2000, Inuyama, Japan. (印刷中). (2001)

  • [文献書誌] R.Bel Hadj Tahar 他: "Effect of Processing Parameters on Physical Properties of Cadmium Stannate Thin Films Prepared by Dip - Coating Technique"J.Am.Ceram.Soc.. 84[1]. 85-91 (2001)

  • [文献書誌] 高橋康隆 他: "チタン含有水溶液の製造方法"特願2000-138556.

  • [文献書誌] 高橋康隆 他: "ニッケル金属膜形成用溶液、およびこれを用いたニッケル金属薄膜の形成方法"特願2000-7868..

  • [文献書誌] Y.Takahashi 他: "Development of New Modifiers for Titanium Alkoxide Based Sol - Gel Process"J.Sol - Gel Sci.Tech.. 17. 227-238 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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