研究概要 |
繊維強化セラミックスの繊維-マトリックス間の界面滑り抵抗をナノメートル(nm)オーダーの凹凸で真に接触している部分(真実接触面積)のミクロなせん断滑り応力(滑り界面で真に接触している部分のせん断滑り応力)を用いてマクロなせん断滑り応力(連続体力学を用いて計算されるせん断滑応力)を求め、実験的検証を行った。 SiC(SCS-0及びSCS-6)繊維、単結晶Al_2O_3,繊維の合計三種類の繊維を用いたエポキシおよびAl_2O_3マトリックス系複合材料を用いて以下の実験を行った。SiC繊維系では表面に〜1μmの炭素コーティング、Al_2O_3系は〜2μmの炭素あるいはMoコーティングと製造後の大気中(酸化雰囲気中)加熱を行い、繊維とマトリックス間にコーティングのない界面を得た。これら複合材料のプッシュアウト試験を行い、プッシュアウト、プッシュバック試験後に突き出した繊維表面及びマトリックスの穴の部分の凹凸の測定とその分布を考慮した幾何学的形状の統計解析を用いた定量化を行った。表面の凹凸を表すパラメータから解析的に真実接触面積を求めた。エポキシマトリックス系では光散乱法(試験時に界面から反射される光の強度の変化)を用いて得られた真実接触面積と測定値の間に相関性が確認された。
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