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1998 年度 実績報告書

半導性BaTiO_3双結晶の作製と電気的特性の評価

研究課題

研究課題/領域番号 10450255
研究機関東京大学

研究代表者

山本 剛久  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20220478)

キーワードBaTiO_3 / 結晶粒界 / 電気的特性 / 双結晶 / MREM / EELS
研究概要

電子セラミック材料は結晶粒界で発現する特性を巧みに利用するものが多い。従って、その発現機構を詳細に理解するには、単一粒界をもつ双結晶試料を利用した電気的特性および結晶粒界構造への理解が必要不可欠である。しかしながら、通常の単結晶作成法ではBaTiO_3単結晶の作製が極めて困難であり、従来、単一粒界での電気的特性の評価は難しいとされてきた。本研究では、BaTiO_3焼結体の結晶粒成長挙動を極微少量の添加物を用いて制御することにより粗大結晶粒の作成を行い種々の方位を持つ単一粒界での電気的特性に関して研究を行い以下の結果を得た。
1. Aサイト置換型添加物を添加すると連続粒成長、Bサイト置換型の添加物では異常粒成長が生じる。非化学量論性を0.03mol%レベルで制御することにより、通常の焼結法において粒径約1mm程度の粗大結晶粒組織が作製できることを見出した。すなわち、この粗大結晶粒組織から双結晶試料を作成することが可能である。
2. 種々の結晶方位関係を持つ双結晶試料の電気的特性の評価を行ったところ、整合性の低い粒界では非オーミック特性が発現すること、一方、整合性が高くなるとオーミック特性となることが明らかとなった。
3. BaTiO_3とともに代表的電子セラミックス材料として知られている、SrTiO_3ならびにZnO双結晶の作成に関しても行い同様な研究を行い、BaTiO_3双結晶試料と同様に、界面での電気的特性は結晶粒の方位関係に大きく依存することを見いだした。
本研究テーマは次年度への継続テーマである。次年度においては、さらに詳細なる検討ならびに界面構造に関する検討を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Yamamoto, K.Hayashi, Y.Ikuhara and T.Sakuma: "Grain Boundary Structure in TiO_2-excess Barium Titanate." Journal of Materials Reserach. vol.13[12]. 3449-3452 (1998)

  • [文献書誌] T.Yamamoto, K.Hayashi, Y.Ikuhara and T.Sakuma: "Chemical Bonding State at Grain Boundaries in BaTiO_3 Doped with a Small Amount of Cation" Phil.Mag.Letter.

  • [文献書誌] T.Yamamoto, T.Sakuma and P.R.Rios: "Application of Microstructural Path Analysis to Abnormal Grain Growth of BaTiO_3 With An Excess TiO_2" Scripta Mater. vol.39[12]. 1713-1717 (1998)

  • [文献書誌] N.Kataoka, K.Hayashi, T.Yamamoto, Y.Sugawara, Y.Ikuhara and T.Sakuma: "Direct Observation of Double Schottky Barrier in Niobium Doped Barium Titanate by Charge-Collection Current Method" J.Am.Ceram.Soc.81[7]. 1961-1963 (1998)

  • [文献書誌] K.Hayashi, T.Yamamoto and T.Sakuma: "Grain Boundary Potential Barrier in Barium Titanate PTC Ceramics" Key Engineering Materials. vols.157-158. 199-206 (1998)

  • [文献書誌] 山本剛久、幾原雄一、佐久間健人: "BatiO_3焼結体の微細組織制御と粒界構造" まてりあ. vol.38[2]. 126-133 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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