研究概要 |
まず,10μm幅の金リード及び100μm径の金細ワイヤーを集積回路電極(pad)に接続(インターコネクト)させるプロセスを数値実験した.試料温度513K〜673K,平均圧縮応力398MPaの接合条件で,熱圧着することにより両者を接合するプロセスを解析した.また,実験により,実際に接合を行い,数値計算モデルの妥当性を検討した.その結果,基板温度(電極)を変えた実験結果と計算結果に良い一致が見られた.すなわち,接合達成に対する温度の効果が,定量的に理解できたことになる.以上は大気中の実験であり,荷重も大きいが,一方,昨年に,引き続き,アルゴンイオンビーム衝撃により活性化された金細線と電子デバイス電極間を低荷重常温下で行う超高真空凝着接合を遂行した.イオンの加速電圧は,効率よく表面洗浄ができる2kVを主に使用した.当然,できた活性化面には表面凹凸や原子空孔等の格子欠陥が形成され,常温で接合した界面は非平衡となる.従って,接合後時間が経つと接合強度は徐々に変化する.その変化挙動を理論と実験の両面から検討した.さらに,本年,作製した昇温装置を,凝着接合装置に取り付け,その試料温度の測定とその補正を行いつつある.
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