研究課題/領域番号 |
10450286
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
駒沢 勲 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40029476)
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研究分担者 |
佐藤 博 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (60283743)
平井 隆之 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (80208800)
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キーワード | 超微粒子 / 逆ミセル / 量子サイズ効果 / 複合材料 / ポリマー / 固定化 / 光触媒反応 / 水素生成 |
研究概要 |
1. 逆ミセル系で調製した超微粒子のポリチオウレタンへの固定化による複合材料の創製 チオール修飾で回収したCdS超微粒子の存在下でチオールをモノマーとして重合を行い、ナノCdS固定化ポリチオウレタンを調製した。この複合粒子は単にチオール被覆した超微粒子に比較して光照射に対して格段に安定であり、2-プロパノール水溶液からの水素発生に対する光触媒として使用できることを示した。CdS超微粒子の表面修飾およびポリチオウレタンの生成に用いるチオールについて比較検討した結果、ベンジルメル力プタンにより表面修飾し4-ヒドロキシチオフェノールをモノマーとして調製した複合材料が最も光照射に対して安定で十分な光触媒活性を示すことを明らかにした。 2. 逆ミセル系で調製した超微粒子のポリウレタンへの固定化による複合材料の創製 上記1の手法を発展させ、CdS超微粒子をエチレングリコールとジイソシアナートの重合により調製したポリウレタン中に固定化した。この複合材料はジメチルホルムアミドなどの極性有機溶媒に可溶であり、キャスト法により容易に透明なフィルムを作成することができた。粉末光触媒や光学機能フィルムとして、用途に応じた最適な形態で使用できることを示した。 3. ジイソシアナートのin situ重合を利用する複合材料の調製 逆ミセル系にジイソシアナートを添加すると、内水相の水との反応によりポリ尿素が生成する。この反応を利用して、非常に簡便な手法で逆ミセル中のナノサイズ超微粒子を固定し複合材料を調製できることを見出した。この手法は、チオールによる表面修飾が困難な酸化物超微粒子や金属超微粒子に対しても適用できる点で非常に有用である。取り込まれた超微粒子はポリ尿素の表面近傍に存在しているため固定化触媒としての利用が可能であり、CdSやZnS超微粒子を含むポリ尿素は、水の光分解による水素発生に対して高い光触媒活性を示した。
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