研究課題/領域番号 |
10450298
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山田 宗慶 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40091764)
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研究分担者 |
小泉 直人 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50302188)
小俣 光司 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70185669)
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キーワード | 混合アルコール合成 / 耐硫黄性触媒 / モリブデン硫化物 / アルコール生成サイト / 高圧キャラクタリゼーション / DRIFT / NO吸着 |
研究概要 |
K等のアルカリ金属を添加したMoS_2を用いて、H_2Sを含む合成ガスから炭素数1〜5までのアルコールが生成することが報告されており、耐硫黄性混合アルコール合成触媒として注目されている。混合アルコールはガソリン添加剤としてだけでなく、そのまま輸送用燃料として用いることもできる。本研究は、従来よりもさらに高い活性を持つ耐硫黄性混合アルコール合成触媒を調製することを目的としている。このため、本年度はAl_2O_3担持K-MoS_2(以下、K-MoS_2/Al_2O_3と記す)のアルコール生成サイトの発現機構を明らかにすることを試みた。本反応は高圧条件で行われるにも関わらず、高圧反応条件における触媒の表面構造はこれまでに調べられていない。 まずはじめに、K-MoS_2/Al_2O_3の混合アルコール合成活性を調べた。613K、4.1MPaの条件では、メタノール、エタノール及びプロパノールの他にメタンからブタンまでの飽和炭化水素、CO_2が生成した。反応開始直後はアルコールの生成量は少なく、特にプロパノールは反応開始後1時間経過しても検出されなかった。しかし、流通時間の増加にともないアルコールの生成量は増加した。これに対して、炭化水素及びCO_2の生成量は流通時間の増加に伴い減少した。これらのことから、K-MoS_2/Al_2O_3の表面は反応中、アルコールを選択的に生成する構造に変化すると推定された。 K-MoS_2/Al_2O_3のアルコール生成サイトを明らかにするため、触媒を活性試験と同じ温度・圧力で合成ガスに曝した時の表面構造を吸着NOの拡散反射IR(DRIFT)測定により検討した。その結果、DRIFTスペクトルは合成ガスの流通時間に依存して変化することが明かとなった。すなわち、反応中に触媒の表面構造が変化することを直接確かめることができた。スペクトルを詳しく解析した結果、アルコールを選択的に生成する表面にはK、及びKと相互作用したMoが露出していると考えられる。
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