研究課題/領域番号 |
10450310
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
卜部 格 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029246)
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研究分担者 |
根来 誠司 姫路工業大学, 工学部, 教授 (90156159)
四方 哲也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00222399)
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キーワード | ペルオキシダーゼ / カタラーゼ / ランダム変異 / 配列空間 / 局所的地形 |
研究概要 |
Bacillus stearothermophilus由来のペルオキシダーゼは、ペルオキシダーゼ活性以外に強いカタラーゼ活性を有している。本酵素の高い耐熱性を維持しつつ、カタラーゼ活性を欠失させ、さらにペルオキシダーゼ活性を上昇させるという、3つの相異なる要求を満たす難易度の高い改良を行うために、まず、B.stearothermophilusからクローニングしたペルオキシダーゼ(カタラーゼI)遺伝子にランダムな点突然変異を導入し、第一次変異型酵素集団を作製した。得られた酵素集団内の変異型酵素について、そのペルオキシダーゼ活性、カタラーゼ活性、耐熱性を測定した。これらのデータをもとに、ペルオキシダーゼ活性が大きく上昇し、カタラーゼ活性が低下し、かつ耐熱性の低下が少ない変異型酵素を選抜した。この変異型酵素遺伝子の塩基配列を決定したところ、130番目のアスパラギン酸のアスパラギンに変異していると推定できたので、D130Nと命名した。 一方、上記第一次変異型酵素集団のデータを解析し、野生型酵素のまわりの配列空間の局所的地形を描いたところ、ペルオキシダーゼ活性をさらに上昇させる可能性と、カタラーゼ活性をさらに低下させる可能性は高いが、転突然変異により耐熱性を上昇させる可能性は小さく、ほとんどの変異型酵素で耐熱性が低下する傾向にあることが明らかとなった。
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