研究課題/領域番号 |
10450312
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大竹 久夫 広島大学, 工学部, 教授 (10127483)
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研究分担者 |
滝口 昇 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 助手 (20304462)
池田 宰 広島大学, 工学部, 助教授 (40151295)
黒田 章夫 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 助教授 (50205241)
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キーワード | ポリリン酸 / 細菌 / 遺伝子 / バイオリン鉱石 / 環境バイオテクノロジー |
研究概要 |
リン酸バイオポリマーであるポリリン酸の合成、分解制御を目標として、細菌のポリリン酸蓄積機構を解析した。細菌がポリリン酸を蓄積する現象として、過剰摂取(アミノ酸飢餓などによりポリリン酸が蓄積する現象)と補償摂取(リン酸飢餓に晒した後に、リン酸を添加すると、ポリリン酸が蓄積する現象)の2つが知られている。過剰摂取の原因を解析した結果、アミノ酸飢餓で誘導される緊縮応答因子が重要な働きをしていることがわかった。すなわち、緊縮応答因子がポリリン酸分解酵素の活性を阻害することによって、ポリリン酸が蓄積すると考えられた。また大腸菌は補償摂取を示さないが、分類学上大腸菌に近縁の Klebsiella 菌は補償摂取を示すことが知られている。補償摂取を示すときのポリリン酸合成酵素、ポリリン酸分解酵素の活性を測定した結果、リン酸飢餓に応答してポリリン酸合成酵素は誘導され、逆にポリリン酸分解酵素は抑制されることがわかった。ポリリン酸合成、分解酵素遺伝子と lacZ 遺伝子との転写レベルの融合遺伝子を作成してその制御を調べた結果、ポリリン酸合成、分解酵素遺伝子は共にリン酸飢餓で誘導されることがわかった。これらの結果より、ポリリン酸分解酵素は翻訳レベルの調節を受けているのか、あるいは翻訳後の修飾等によって制御されているのではないかと考えられた。Klebsiella 菌の ppx 遺伝子の塩基配列を決定した結果、大腸菌の ppx と88%の高い相同性があるにも関わらず、その制御に大きな違いが見られることがわかった。
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