研究課題/領域番号 |
10450317
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
二瓶 好正 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10011016)
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研究分担者 |
石井 秀司 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30251466)
尾張 真則 東京大学, 環境安全研究センター, 助教授 (70160950)
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キーワード | X線光電子回折 / XPED時間分解測定 / 表面変性エピタキシー / 表面合金化プロセス / tensor XPED / Gu / Ge(111)系 |
研究概要 |
X線光電子回折(XPED)法により、表面上での化学反応・成長プロセス前後の原子構造の変化を精密に決定し、さらにその途中の動的過程をXPEDの時間分解測定によってリアルタイムで解析する実験的方法を確立することが本研究の目的である。XPED法の元素識別性を利用して、表面変性エピタキシーや表面合金化など、最表面原子だけでなくナノメーターオーダーの深さまでの原子が関与するためにSTMなどでは完全には解析できない系を測定・解析することを目指して、本年度は以下の研究を行った。 1. 温度可変XPED装置の立ち上げ 既存のマニピュレーター先端に本年度購入した試料回転・加熱用ホルダーを組み込み、液体窒素温度から1000℃程度までの温度範囲でのXPED測定を可能とする装置系の立ち上げを行った。同時にチタンサブリメーションポンプやロータリーポンプなどにより真空系のさらなる強化を行い、高温実験時の真空悪化を防ぐ工夫をした。 2. XPED理論の精密化 温度変化による表面プロセス解析の基礎として、XPEDにおける熱振動効果のより正確な定式化を行っている。また同時に、tensor LEEDの手法を応用して、XPEDパターンから複雑な構造を導きだすために、tensor XPEDの手法を提案し、この手法に対する基礎的な検討を行った。 3. 表面合金化プロセスの予備検討 Ge(111)上にCuを吸着させた不整合構造をつくり、Cu原子の構造との関係を調べた。加熱により形成したCuとGeと合金相についてRHEED、XPEDでの予備測定を行い、次年度でのリアルタイム測定のための試料側からの予備検討を行った。 4. XPED測定の高速化の検討 従来の測定をより高速化するために、2次元同時検出による測定の高速化の理論的・実験的研究や、新しいタイプの電子レンズに対する理論的検討を行い、リアルタイム測定への装置側からの予備検討を行った。
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