研究概要 |
小型大容量キャパシタの開発を展望して、水素イオンの電気二重層への充電、吸着ならびに吸収で電荷を蓄積する大表面積の多孔質金属酸化物電極の作製を試み、下記の結果を得た。 1, RuO_2-MoO_x/Ti電極の作製及び電極特性評価 塗布法にて作製下この電極は、特定組成領域で大きな疑似二重層容量を示すことを見出した。その値は、文献値を見る限り、本件吸湿で見出したRuO_2-VO_x/Ti電極に次ぐ大きな値であった。 2, Ti-V-W-O/Ti電極の作製及び電極特性評価 高価なルテニウムを用いずに、大きな値の疑似二重層容量を有する金属酸化物電極を開発できれば、実用的には意義を持つ。塗布法により電極を作製する際の焼成温度を従来より200℃も高くすると、基板のチタンにヴァナジウムが固溶し、それが活性点となって大きな容量を示すことを見出した。 3, 炭素材料表面への金属酸化物の高分散化による疑似二重層容量の向上 RuO_2を鏡面研磨したな炭素上に量を変えて担持したところ、超高分散するとルテニウム原子1ヶ当たり数個のプロトンが吸着・吸収するのに相当する電荷の蓄積が生じることを見出した。また、この現象は、MoO_xに関してもみられ、炭素上の高分散させると、電気伝導性が低い金属酸化物でもキャパシタ用電極に使用できることを見出した。
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