研究課題/領域番号 |
10450324
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山添 〓 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (40037817)
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研究分担者 |
酒井 剛 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (40284567)
島ノ江 憲剛 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (10274531)
三浦 則雄 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (70128099)
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キーワード | 酸化スズ / 水熱処理 / コロイド粒子 / 酸化物半導体 / 薄膜型センサ / 微粒子 / 結晶子径 / 粒子径 |
研究概要 |
本研究は、水熱処理法が半導体酸化物微粒子(コロイド粒子)およびそれを用いたガス感応膜素子に及ぼす効果を詳細に検討し、高感度かつ高安定性を有するガスセンサの設計コンセプトの確立を目指すものである。本年度は、スズ酸沈殿の生成条件、水熱処理条件、酸化スズコロイドから作製した薄膜型センサのガス応答特性などについて検討を行い、次のような知見を得た。 1. スズ酸沈殿の調製法 四塩化スズと炭酸水素ナトリウムをモル比1:5で混合して得られるスズ酸沈殿を水熱処理すれば、良質な酸化スズコロイド(平均粒径:6nm)が得られることがわかった。このとき、濃度(イオン強度)、温度、混合速度などの条件を変えても、水熱処理によって得られるコロイド粒子の大きさと熟成長特性にはほとんど影響を及ぼさないことがわかった。また、出発原料である四塩化スズのかわりに、他のスズ塩を用いても良質な酸化スズコロイドを得ることはできなかった。 2, 水熱処理条件の確立 水熱処理を行う条件として、スズ酸含量、pH、温度、時間などについて検討した結果、いずれの条件を変えても得られるコロイドの大きさや熱成長特性が変化することがわかった。そのうち、スズ酸含量については、含量の増加にともなって粒子が凝集する傾向があり、凝集したコロイド粒子ほど熱成長しやすくなることがわかった。また、単分散したコロイド系では、900℃で熱処理しても結晶子系が13nm程度に抑えられることから、非常に高い熱安定性を有することがわかった。 3. 薄膜型センサの作製と評価 スピンコート法により作製した薄膜型素子(結晶子径7.3nm、膜厚80nm)は、H_2とCOに対して非常に高い感度を示し、従来の焼結型素子と比べて1桁以上感度を向上できることを見出した。また、SEM観察により薄膜の平均粒子径は、XRDから得られた結晶子径とほぼ同じ大きさであることがわかった。
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