研究課題/領域番号 |
10450328
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
中川 善兵衛 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (90016832)
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研究分担者 |
林 滋生 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (20218572)
泰松 齊 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (60125721)
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キーワード | インタカレーティング化合物 / ガス吸収 / ガス放出 / 雰囲気制御 / ガス分離 |
研究概要 |
インタカレーティング化合物として多くの物質を考えているが、本年度は天然のモンモリロナイト(クニピアF)、合成Na型フッ素四ケイ素雲母(市販品を精製)、層状化合物のMoO_3(実験室で合成)を取り上げた。吸収させるガスは、無極性のN_2、O_2、CO_2と有極性のCO、アルカリ性のNH_3、酸性ガスののNO、SO_2、Cl_2を選んだ。CO_2はドライアイスを利用し、他の有毒性ガスはアルゴンまたは窒素との混合ガスを使用した。ガスの吸収実験は、真空式デシケーターを用い、試料挿入後油回転真空ポンプで排気後、試験を行うガスを導入して約1気圧とし室温で20分間保持した。試料をデシケーターから取り出し、直ちに購入したTG-Mass装置により、加熱中に放出されるガス種の検出とその時の温度を調べた。TG-Massの測定では、H_2O(質量18)の検出時に同時にOH^-(質量17)も測定されるため、NH_3(質量17)の検出にはH_2OとOH^-との比を求めておき、その値との比較により行った。 ガスの吸収実験を行う前の試料をTG-Massによって測定した結果、モンモリロナイトはH_2Oを、フッ素四ケイ素雲母はH_2OとCO_2を放出し、それらのガスを層間に吸収していたことが分かった。特にフッ素四ケイ素雲母では、H_2Oの放出温度が130℃付近、CO_2の放出温度が160℃で両者を分離する可能性のあることが分かった。 調製したままの試料のガス吸収実験では、今回調べた試料はいずれも新たにガスを吸収することが認められなかった。そのため、インタカレーティング化合物の層間を広げる効果の期待される水蒸気雰囲気でのガス吸収実験を行った。その結果、MoO_3については180℃付近でNH_3の放出があり、雰囲気の制御によってガスの吸収が可能であることが分かった。
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