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1999 年度 実績報告書

原子間力顕微鏡と原子層堆積法の併用による三次元原子配列と人工無機物質の合成

研究課題

研究課題/領域番号 10450331
研究機関静岡大学

研究代表者

小林 健吉郎  静岡大学, 工学部, 教授 (20153603)

研究分担者 冨田 端正  静岡大学, 工学部, 助手 (50303532)
會澤 宣一  静岡大学, 工学部, 助教授 (60231099)
キーワード原子配列 / 原子堆積法 / 酸化チタン / 酸素吸着
研究概要

伝導性カンチレバーを持つAFMを用いてTiO2表面に局所的に電場を印加することにより酸素を吸着させた。また酸素吸着の後、紫外線を照射しながら正の電圧をTiO2に印加することにより吸着酸素の光脱離を行った。この吸着酸素あるいは脱離を空間的にナノメーターの精度で制御できるかどうかを検討した。
TiO2単結晶(110)をH2(2%)雰囲気中800℃4時間還元して半導体化した。AFM試料台とTiO2はIn電極によりオーミック接触を取った。AFMはセイコーSP13700Nを用いた。伝導性カンチレバーはSi上に金あるいは白金を被覆したものを用いた。測定は酸素およびアルゴン雰囲気中で行った。
酸素あるいはアルゴン雰囲気でTiO2表面に-10Vを印加すると隆起物の生成が確認できた。隆起物での電流-電圧特性は非線形であるものの正の電圧領域で電流が観測された。これはカンチレバー表面の金が電界蒸着によりTiO2表面に堆積したものである。電場による酸素吸着実験は金の堆積が起こらない-3.0Vで行った。5nm×5nmの領域、2カ所を-3.0Vを印加しながら掃引し、その後1000nm×1000nmの領域の掃引領域を広げてAFMトポグラフを測定したところ、5nm×5nmの領域を中心に1nm程度の隆起が認められた。この高さは吸着酸素分子のサイズよりも著しく大きく、負電荷吸着した酸素による静電力を反映しているものと推測される。伝導度マップでも酸素吸着領域では伝導度の減少が確認出来た。次に紫外線照射を行いながら正の電圧を印加したところ正の電流が流れるようになった。紫外線照射を停止した後には酸素雰囲気では正の電流は観測出来ないものの、アルゴン雰囲気では電流値は若干減少するものの引き続き正の電流が6Vより大きな電圧で観測された。これは吸着酸素が紫外線と正の電圧印加により脱離し、この部分で整流特性が破壊されたものである。伝導度マップより酸素脱離部分を確認することが出来た。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kenkichiro Kobayashi: "Preparation of ZnO film by Atomic Layer Deposition"Electroceramics in Japan. 2. 158-162 (1999)

  • [文献書誌] Yasumasa Tomita: "Synthesis and electrical properties of Li1-2xCuxMn2O4"Chem.Lett.. 1023-1024 (1999)

  • [文献書誌] Shigenori Matsushima,: "Semiempirical band calculation of Pd-adsorbed SnO2 surface"Jpn.J.Appl.Phys.. 38. 4993-4996 (1999)

  • [文献書誌] Yasumasa Tomita: "Diffusion mechanism of copper (I) ion in CuAlBr4 studied by nuclear"Solid State Ionics. 126. 121-131 (1999)

  • [文献書誌] 小林健吉郎: "原子間力顕微鏡を用いた原子配列制御"Ceramic Data Book'99. 99. 49-51 (1999)

  • [文献書誌] Kenkichiro Kobayashi: "Spatial arrangement of oxygen molecules adsorbed on TiO2 surface"Mater.Sci.Lett.. 19. 173-175 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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