研究概要 |
全α-シクロデキストリン(α-CD)単位に対してナフタレン修飾α-CD(NpCD)を20,60,100%の割合で含み、両末端をアントラセンによってキャップされた一連のポリロタクサンを合成した。そして、アンテナユニットの数とアンテナ効果についての関係を検討した。集光能力は、ナフタレンの数が増すにつれて高くなるが、エネルギー移動効率は減少した。この系でほNpCDの割合が増大するのに伴い偏光解消の程度は大きくなり、ナフタレン間でのランダムなエネルギー移動によってエネルギーが失活すると結論した。また、ポリロタクサン末端のアントラセン単位をトリニトロフェニル単位に変えNpCD単位を20,40,60,80,100%の割合で含むポリロタクサンを構築した。様々な極性の有機溶媒中においてトリニトリロフェニル単位によるナフタレン蛍光の消光を観察し、極性の低い溶媒においては高効率のエネルギー移動が達成され、ナフタレン単位の増加に比例してアンテナ効果が増加することが判明した。
|