研究課題/領域番号 |
10450354
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森島 洋太郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70028249)
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研究分担者 |
橋爪 章仁 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70294147)
四方 俊幸 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10178858)
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キーワード | 両親媒性高分子 / 自己組織化 / 分子設計 / ナノ組織体 / 疎水基 / スペーサー結合 / 蛍光法 / 力学緩和法 |
研究概要 |
疎水性モノマーと電解質モノマーのランダム共重合体について、以下の分子設計と合成をおこなった。(1)自己組織化における疎水基の「個性」を明らかにするため、飽和および不飽和炭化水素やパーフルオロアルキル基を疎水基として置換したメタクリルアミド型モノマーを合成し、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウムと種々な組成で共重合することにより両親媒性共重合体を合成した。(2)疎水基と主鎖を結ぶスペーサー結合の効果を調べるために、アミド結合またはエステル結合を介して疎水基を直接主鎖に結合した両親媒性ランダム共重合体および、長さの異なるポリオキシエチレン鎖を介して結合した両親媒性ランダム共重合体を合成した。 上記の両親媒性高分子の自己組織化過程並びにそれによって生成したナノ組織体の構造と性質のキャラクタリゼーションをおこなった。(1)蛍光物質を側鎖結合した蛍光標識モノマーを用い、三元共重合をおこなうことによって合成した蛍光活性な両親媒性高分子を合成し、蛍光標識基からの過渡的蛍光情報に基づいて自己組織化現象並びにナノ構造の微視的ダイナミックスを調べた。過渡的蛍光情報として蛍光寿命、過渡的蛍光スペクトル、および時間依存蛍光偏光解消法を用いた。(3)ナノ組織体の慣性半径の測定を静的光散乱法によりおこない、流体力学的な大きさの評価を、動的光散乱法、体積排除クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動によりおこなった。(4)ナノ組織の巨視的なダイナミックス評価を、動的光散乱法、力学緩和法を併用しておこなった。(5)透過型電子顕微鏡によるモルホロジーの観察をおこなった。その結果、両親媒性高分子の自己組織化は、疎水性モノマーと電解質モノマーの割合、疎水基の性質、疎水基とポリマー主鎖をつなぐスペーサー結合なとによって制御できることが明らかとなった。
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