研究概要 |
1.メタクリル酸1級エステルのヘテロタクチックリビング重合に有効なt-BuLiと嵩高いアルミニウムフェノキシドbis(2,6-di-t-butylphenoxy)methylaluminum[MeAl(ODBP)_2]の組合せからなる開始剤を用いて、トルエン中低温でメタクリル酸ビニル、N,N-ジメチルアミノエチル、N,N-ジエチルアミノエチル、N,N-ジイソプロピルアミノエチルの重合を行ったところ、側鎖へのMeAl(ODBP)_2のため、立体規則性はシンジオタクチックに変化し、ことに、N,N-ジイソプロピルアミノエチルエステルの重合ではrr含量90%のポリマーが得られた。 2.MeAl(ODBP)_2のアルキル基をエチル基に変えたEtAl(ODBP)_2を用いると、アクリル酸1級エステルのリビング重合が可能なことがわたった。アクリル酸ブチルとメタクリル酸メチルとの共重合ではモノマー選択的な共重合によって、ブロックポリマーが得られた。 3.同一分子内に第1級および第3級エステル基を含むジメタクリレート(A)を合成し、t-BuLi/MeAl(ODBP)_2による重合を行った。重合は第1級エステル基側で位置選択的に起こり、側鎖に反応性基を有する可溶性ポリマーが得られた。また、-78℃でメタクリル酸メチルとのブロック共重合体を合成し、ついで反応温度を0℃に上げることによって、(A)ブロックの側鎖2重結合の反応を利用した架橋で星形ポリマーを段階的に合成することに成功した。
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