研究課題/領域番号 |
10450361
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
渡辺 順次 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90111666)
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研究分担者 |
川内 進 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80204676)
竹添 秀男 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10108194)
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キーワード | ポリペプチド / コレステリック液晶 / らせん構造 / 二次の非線形光学効果 / 強誘電性 / らせんキャビティ / 双極子モーメント / 極性構造 |
研究概要 |
[分極反転による強誘電相の確認]Poly(γ-benzyl L-glutamate)のリオトロピック・コレステリック液晶を用い、三角波電圧引加により分極反転電流を観測し、また同時にSHG測定より、極性構造の極性が反転していることも確認し、強誘電相であることを認めた。 [らせんキャビティによるSHG増幅効果]コレステリックらせん構造を、リオトロピック、サーモトロピック両系で調製し、SHGとらせんピッチの相関を調べた結果、SHG光の波長と一致するピッチ領域でSHG強度が著しく増大する(数百倍程度)ことがわかり、らせんキャビティによる増幅効果を明確に認めることができた。 [分子動力学シミュレーション]分子軸方向に大きな双極子モーメントを持つ棒状分子を想定し、分子動力学法により、充てん構造のシミュレーションを行った結果、分子の極性軸が同一方向を向いた極性構造が最も安定であることを確認した。 以上の結果より、α-ヘリックス形態を持つポリペプチドが、その極性軸を一方向に並べた強誘電コレステリック液晶を形成するとともに、らせん構造とカップリングさせれば、らせんキャビティによるSHG増幅効果が現れるという興味ある結論を得るにいたった。
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