• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

単分子鎖の自己凝縮によるナノ秩序体の創出

研究課題

研究課題/領域番号 10450365
研究機関京都大学

研究代表者

吉川 研一  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80110823)

研究分担者 小穴 英廣  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20314172)
村田 静昭  名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助教授 (50157781)
キーワード折り畳み転移 / 高次構造相転移 / 単一分子鎖 / コイル-グロビュール転移 / レーザートラップ / 長鎖DNA / 一次相転移 / ナノ結晶
研究概要

本研究ではDNAの鎖長、塩基組成を変え、又種々の新規に合成した凝縮剤を用いる事により様々な形態のナノ構造体を創る手法の確立を目指している。3価のカチオンであるスペルミジンを用いて、長鎖DNAを折り畳むと、直径80-100nmのトロイドが生成することは既に知られていた。今回、塩濃度を上昇させ、スペルミジンを添加すると、直径200nm程度の巨大トロイドが生じることを見い出した。これは、セグメント同士の引力が減少することによる効果であると考えられ、ナノ凝縮体の構造制御についての貴重な成果であると言える。本年度は、さらに、*WのYAGレーザーにより、水容中無修飾の単一分子凝縮体のトラップに成功した。これは、単一の長鎖DNA分子が折り畳みで転移をおこし、それにより生成した凝縮体が、トラップされることを見い出したものである。トラップ効率としては、凝縮剤として、陽イオン界面凝縮剤を用いたときに最良となり、多価カチオンやPEGを用いたときには、トラップ力は弱くなった。本研究により、ビース等に結合させることなく、温和な条件下、可逆的にトラップし、搬送できることが明かとなった。この発見は、物理科学のみならず、生命科学分野に対しても意義が大きいと思われる。今後、レーザー光による誘電場の中で、より効率良く、トラップされるための条件を探索することが重要な課題となってきている。分極率の高い、分子残基や無機イオンなども用いて、これらのことを検討する予定である。また、電場や温度勾配などの存在大での、光トラップも試みたいと考えている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] V.G.Sergeyev: "How Does Alcohol Dissolve the Complex of DNA with a Cationic Surfactant?"J. Am. Chem. Soc.. 121. 1780-1785 (1999)

  • [文献書誌] S.Takagi: "Stepwise Collapse of Polyelectrolyte Chains Entrapped in a Finite Space Aa Predicted by Theoretical Consideration"Langmuir. 15. 4143-4146 (1999)

  • [文献書誌] Y.Yoshikawa: "Formation of a Giant Toroid from Long Duplex DNA"Langmuir. 15. 4085-4088 (1999)

  • [文献書誌] H.Murayama: "Thermodynamics of the Collapsing Phase Transition in a Single Duplex DNA Molecule"J. Phys. Chem.. B103. 10517-10523 (1999)

  • [文献書誌] Y.Matsuzawa: "Laser Trapping of an Individual DNA Molecule Folded Using Various Condensing Agents"J. Am. Chem. Soc.. 121. 11581-11582 (1999)

  • [文献書誌] Yu.S.Velichko: "Effect of Twisting on the Behavior of a Double-Stranded Polymer Chain: A Monte Carlo Simulation"J. Chem. Phys.. 111. 9424-9433 (1999)

  • [文献書誌] K.Yoshikawa: "A Working Hypothesis on the Mechanism of Molecular Machinery"Chem. Phys. Lett.. 303. 10-14 (1999)

  • [文献書誌] S.Nomura: "Giant Phospholiqid Vesicles Entrapping Giant DNA"Giant Vesicles. 313-317 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi