研究課題/領域番号 |
10450373
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 佳朗 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80115609)
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研究分担者 |
メンショフ イゴール 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (70262871)
中西 為雄 山形大学, 工学部, 助教授 (10235799)
川添 博光 鳥取大学, 工学部, 助教授 (40260591)
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キーワード | ジェット / 騒音 / 混合 / 不安定 / スクリーチ音 / せん断層 / 乱流遷移 / 超音速流 |
研究概要 |
実験と計算の両方を行い、それぞれ、成果が得られた。実験では、非定常ミニジェットを用いてジェットの流れ場を変化させ、ジェットの崩壊を早めることを試みた。また、ジェットの混合と空力音との関係を実験的に明らかにした。結果をまとめると、1)ミニジェットをフラッピングモードでメインジェットに噴射させた場合、周囲流体との混合が最も促進された。このとき、ポテンシャルコアの下流方向長さは最大35%短縮した。2)ミニジェットの周波数を上げるほど、ジェットがより良く崩壊する。3)不足膨張ジェットは安定しているため、周期擾乱を与えても、適正膨張ほど影響を受けない。4)騒音に関しては、定常噴射の場合のみノイズが減少した。特に、メインジェットが不足膨張の場合には約7dB減少した。非定常モードの擾乱の場合には、非定常干渉のため、逆に騒音は増大した。一方、計算に関しては、1)軸対称計算によるジェットでは、せん断層の不安定から生じた巻き上がり渦が周期的に生成され、これが合体や加速度運動を行うときに、マッハ放射による音発生がある。特に、渦の4重極の圧縮部分が外側に伸びて、マッハ波を形成する。2)3次元ジェットでは、上流部で発生する軸対称の不安定がいつまでも維持できなく、周方向変化を持つ3次元性が現れ、エネルギーが拡散する。その結果、軸対称ジェットに比べて外側に放射されるマッハ波も弱められる。3)ジェットの中心軸に沿う速度分布は、3次元計算の場合には実験データと良く一致する。ただ、下流側では多少ずれを示す。4)不足膨張ジェットでは、せん断層に存在する渦と、衝撃波セルの反射衝撃波との干渉により、周期的な擾乱が発生し、それが音になるメカニズムが捕らえられた。5)計算された音は、マッハ波に関しては、130dB程度、OASPLは150dB程度であった。また、ノズル付近では高周波が、下流に行くにつれ、低周波が支配的となる。
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