研究概要 |
現有のコダックメガプラスカメラ1.4iと同等の高解像度を有するコダックメガプラスカメラES1.0/MVを新規に二機購入した.ピクセルサイズは1.4iと比べると多少大きいが,有効画素数は同じである.この二機を,観測部に設置し,水平方向と垂直方向のニ方向から,破砕過程を観測できるようにした. 現有の1.4iは,衝突直前のプロジェクタイルの速度計測に利用し,その計測精度を向上させた.予備実験として,発砲スチロールにアルミ球を衝突させ,その破砕過程を撮影した.また,撮影した二枚の画像から,貫通したアルミ球及び飛散する発砲スチロール片の三次元速度ベクトルを得た. 一方,既存の破砕モデルを新規に作成した軌道伝播モデルを組み合わせ,破砕後の破片の挙動を推測できるようにした.この解析は,粒子環境の推移のみでなく,現在,各国の宇宙機関が力を注いでいる静止軌道近傍の破片とその母体を同定する手段にもなり得る.後者に関しては,今年6月に開催予定の国際デブリ調整会議で発表の予定である.推移モデル自体は,国際宇宙連盟にて発表した.
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