研究課題/領域番号 |
10450376
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金原 勲 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50011101)
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研究分担者 |
大澤 勇 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00143389)
鈴木 敏夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20010895)
影山 和郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50214276)
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キーワード | 光ファイバセンサ / リモートモニタリング / 船体構造 / 構造安全性 / ひずみ計測 / AE計測 |
研究概要 |
様々な使用環境にある船舶の構造モニタリングシステムを光ファイバと通信衛星を利用した情報ネットワークにより陸上センタと結びつけたリモートモニタリングシステムおよび構造安全性評価システムとして開発することを目標に、そのための技術的課題を明確にすることをねらう。本年度は実験室における光ファイバの基礎的な性能評価試験および一部は実海域においても性能確認試験を行い、以下の成果を得た。 1. 光ファイバレーザドップラ速度(FLDV)センサおよび光ファイバグレーティング(FBG)センサによる引張ひずみの動的測定試験を行い、ひずみゲージと比較して十分な精度を有することが確認された。とくにFLDVの周波数応答性については、200Hz程度までは十分な応答性能があることが示された。また、鋼板に接着された光ファイバセンサの引張強度と引張疲労強度についても、十分な耐久性を有することが確認された。 2. 実海域において、光ファイバセンサによる航走中の船体のひずみを測定した結果、小さなひずみの測定にも十分な性能を有することが確認された。FLDVにより船体の受ける衝撃ひずみも感知できるが、正確な衝撃力の測定にはまだ改良の必要があることが示された。また、両センサとも長期間の測定の際には、温度補償を適切に行うことが必要であることが明らかにされた。 3. FLDVによる複合材料のAE検出の基礎実験を行い、埋込型光ファイバにより既存の共振型センサとほぼ同等のAEセンサとして用いることができ、一本のセンサで比較的単純に広領域の損傷検出または健全性評価のためのAEセンサシステムの構築が可能であることが示された。しかし今後はS/N比を向上させるとともに、さらに感度を上げる必要があり、また広領域を測定するために、長ゲージ長の光ファイバを埋め込む技術について検討する必要があることも明らかにされた。
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