| 研究課題/領域番号 |
10450382
|
|---|
| 研究機関 | 弓削商船高等専門学校 |
|---|
研究代表者 |
松下 邦幸 弓削商船高等専門学校, 練習船弓削丸, 助教授 (30165807)
|
|---|
| 研究分担者 |
沼野 正義 運輸省船舶技術研究所, システム技術部, 自動化室長
矢野 和昭 弓削商船高等専門学校, 情報工学科, 講師 (50259959)
長尾 和彦 弓削商船高等専門学校, 情報工学科, 講師 (90217969)
|
|---|
| キーワード | ヒューマンエラー / 知識ベース / エキスパートシステム / データベースの階層化 |
|---|
| 研究概要 |
本研究の目的は、船舶機関システムの起動・停止時のような非定常時における煩雑な知的作業を支援し、機関運転員の誤操作、誤判断を防止するシステムを構築することである。近年、船舶の運航形態は、その効率化を求めるあまり、自動化・近代化が急激に進んでいて、少数の乗組定員の受けている責務は、ますます甚大となっている。そのうえ経済的な理由から外国人船員との混乗によって、総体的な技術力やコミュニケーション等の低下による人的要因(ヒューマンエラー)による事故が懸念されている。
1.このため、平成10年度より引き続いてベテランの機関長のもつノウハウを単純化して知識ベースとしてモデリングを行い、これをプログラミング化して機関システムの起動・停止時の意思決定などの知的判断を伴う作業の支援をするシステム、いわゆるエキスパートシステムの構築を目指して検討をした。
2.昨年度開発の機関長システム(CE-SYS)プロトタイプは、ある一定の条件下での練習船弓削丸の機関の起動時の支援を行うことができるが、異常になった場合の問題点を解決する能力は無い。つまり故障に至るシナリオが少ない。これを補うため、各ステップにおける正常時の判断と異常事態発生時の判断機構を明白にする必要が生じている。一つの解決法としてFTA手法を用いて、データーベースの階層化を試みている。
3.今年度は、弓削丸主機関の起動時の知識データベースを、階層化したプログラムミングを試作したが、さらにこの階層化された一次的プログラムをコントロールするプロトコルの開発の必要性がある。尚、このプロトコルは、ベテランの機関長の意思決定の能力に近いものでなければならない。つまり人間のような意思(思想)を持って明確に周囲の状況から最適な決断を選択させる必要がある。
|
