研究課題
本研究は、熊本大学工学部に設備購入されたX線CTスキャナーにより岩石等の内部構造、破壊や透水などの鮮明な3次元可視化を実現し、資源開発工学が必要とする地質モデル、岩石モデル、破壊モデル、透水モデルなどの構築を最終の目標としている。平成10年度は、岩石透水現象の可視化、土の圧密・破壊プロセスの分析、クリッギング法による構造評価、亀裂進展プロセスの分析、岩石破砕プロセスの可視化、および亀裂開口変位の定量に関する研究を行い、研究成果発表会を平成10年12月4日に東京で開催した(参加者29名)。この研究会では、X線CTに現れる虚像解析、X線CTに関する最近の海外論文紹介、土の圧縮破壊の画像解析、気泡混合処理土の構造評価、アスファルト混合物のモデリングへの応用、亀裂の可視化と開口変位定量のための画像解析法、静的破壊における亀裂進展プロセスの可視化と数値解析、ローラービットによる岩石破砕亀裂の画像処理、岩石の1軸圧縮破壊プロセスの計測、透水フロントの画像解析、X線CTと分光反射・放射計を用いた岩石風化プロセスの分析など、今年度の研究成果が報告された。また、最適な試料形状、撮影方法、濃淡情報や空間情報の最適変換手法、雑音除去のための平滑化手法、構造の鮮鋭化手法、時系列画像間演算法などに関する最新の技術とノウハウ、とく、岩石のように不均質、かつ複雑で、個体ごとに異なる構造を有する天然材料にX線CTを適用する際の技術的諸問題とそれらの解決方法に関する討論が活発に行われた。これらの研究成果は平成11年度に資料出版の予定であり、早期に学会誌に論文報告する予定である。
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