研究概要 |
昨年度の研究で、Streptomyces levorisが、優れたトリウム吸着能を持つこと、Arthrobacter nicotianaeが優れた銅吸着能を持つこと、微生物には、ヒドロキシラジカルなどの活性酸素の発生を抑制する効果があること、固定化柿タンニンがバナジウム、クロムなどの重金属元素をよく吸着することを明らかにした。本年度は、微生物に取り込まれた銅の性状、固定化柿タンニンによるバナジウム吸着機構を電子スピン共鳴法で解析した。また、ウランのフェントン反応によるヒドロキシラジカル発生と微生物菌体及びタンニン化合物によるその抑制効果について詳細に解析した。一方、環状ニトロン型スピントラップ剤と塩化金(III)酸との酸化還元反応と生成するDMPOX型ニトロキシドラジカルについて詳細に解析した。これらの成果は、第22回磁気共鳴医学会・第4回SFRR Japan合同学会(平成12年6月東京)、第39回ESR討論会(平成12年11月京都)、Pacifichem 2000(Int.Chem.Congr.of Pacific Basin Societies)(平成12年12月ハワイ)、日本化学会第79春季年会(平成13年3月神戸)で発表するとともに、磁気共鳴と医学11:25-28(2000)、Journal of Chemical Technology and Biotechnology,75:977-982(2000)に公表した。さらに、生体系重金属ストレス解析の基礎技術確立を目途として、電子スピン共鳴法によるモデルラット中ラジカル種の解析を行った。これらの成果は、磁気共鳴と医学11:67-70,135-138(2000)、Brain Research Bulletin 51:313-317(2000),Neurochemical Research 25:1107-1111(2000)に発表した。
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