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1999 年度 実績報告書

ソバ属植物の多収性育種に関する生殖生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10460002
研究機関筑波大学

研究代表者

生井 兵治  筑波大学, 農林学系, 教授 (80015677)

研究分担者 林 久喜  筑波大学, 農林学系, 講師 (70251022)
大澤 良  筑波大学, 農林学系, 助教授 (80211788)
キーワードソバ / 多収性 / 生殖生物学 / 遺伝生態 / 栽培環境 / 品種内変異 / 季節的分断選抜 / 栽培生理
研究概要

普通ソバとダッタンソバの多収性を目指して生殖生物学的研究を行い以下の結果を得た。
1.開花から結実までの生殖生物学的解析については、ソバ集団の花粉流動の実態を調査した。その結果、開花の早い個体から遅い個体への花粉流動はみられるが、開花の早い個体の花粉稔性が急激に低下するため遺伝子流動はほとんどみられないこと、(2)開花の遅い個体から早い個体への花粉流動は低頻度で見られるが、早咲き個体の雌性結実能力が低下するため遺伝流動はほとんどみられないことなどから、普通ソバ集団内では無作為交配は行われておらず、同類交配が行われていることが示唆された。
2.種子収量に及ぼす栽培環境の栽培生理・生態学的解析については、育成地とは異なる環境における種子生産性に着目した解析を行った。カナダで育成された、長花房の多収品種を日本で栽培したところ、栽培時期にかかわらず、花房長は比較品種であるしなの夏そばに比べて長く、平均節間長が短い倒伏しにくい形態を示し、個体当たりの種子重も多く、日本でも多収が望める形質を示すことがわかった。また、これまでの2年間の栽培試験の結果、カナダで育成された品種KOTOの平均種子収量は、しなの夏そばに比較して38%増と極めて多収であること、その他のKOBANとKUEKETTも比較品種に比べ11%、28%増と高い収量を示すことが明らかとなった。
3.季節的分断選抜の効果と機作に関する遺伝生態学的解析については、秋型品種宮崎在来と夏型品種牡丹ソバとの雑種種子について5月播き夏栽培と8月播き秋栽培を交互に続け7世代目の秋栽培と8世代目の夏栽培を行い、種子生産性に関する季節的分断選抜の効果を確認するとともに、北海道と九州それぞれの地域に適応した品種間の雑種種子に働く自然選択は中間的開花期を示す個体に有利に働いていることがわかった。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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