• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

バラ科果実の成熟に伴う細胞壁構成糖鎖の化学構造の変化

研究課題

研究課題/領域番号 10460011
研究機関弘前大学

研究代表者

元村 佳恵  弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (50005609)

研究分担者 西澤 隆  山形大学, 農学部, 助教授 (10208176)
荒川 修  弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (70184265)
加藤 陽治  弘前大学, 教育学部, 教授 (20194863)
北原 晴男  弘前大学, 教育学部, 助教授 (60186260)
キーワードバラ科果実 / 細胞壁多糖 / ペクチン / ヘミセルロース / ウロン酸 / ペントース / フェノール性物質
研究概要

1、 果肉の粉質化度の測定:リンゴ果肉の軟化に伴う粉質化の程度を測定する方法として、著者らが開発した果肉デイスクをしょ糖溶液中で振とうし、デイスクの崩壊度を測定する方法と、果実を非破壊的にレーザードップラー法で測定する方法との比較を行った。果肉振とう法では、振とう時間や振とう速度を変化させることによって、粉質化の程度を広範囲にわたって定量的に測定することができた。レーザードップラー法では粉質化の進んだ果肉では定量的な測定が可能であったが、粉質化の程度が、低い果実では明確な結果が得られなかったことから、必要に応じた使い分けが必要と考える。
2、 リンゴ果肉のペクチン分子の解析:リンゴ果肉の水溶性、ヘキサメタリン酸可溶性および塩酸可溶性ペクチン画分をゲルろ過クロマトグラフによって解析したところ、塩酸可溶性画分以外は、ウロン酸とペントースが同じ画分に検出されたことから、両者は結合している可能性が高いと考えられた。塩酸画分では、低分子画分に中性糖だけの画分が検出され、これがペクチン分子から塩酸によって離脱したものなのか、細胞壁中に遊離で存在するものなのかを検討する予定である。
3、 果肉の酵素処理による人為的粉質化の誘導:リンゴ果肉のデイスクをAspergillus属菌(niger)から精製したpectinase溶液中で振とうしたところ、粉質化と同様の果肉崩壊が観察された。顕微鏡観察によって、両者はともに細胞同士が解離した状態にあった。本酵素によって人為的に粉質化と同様の現象を誘導することができた。また、細胞解離にはヘキサメタリン酸画分の中性糖の分解が関わっていると考えられた。これらの結果から、粉質化は果実細胞間にあるミドルラメラのペクチンの中性糖の分解が関与しているものと推定された。
4、 酵素処理を行った果肉および培養液中に移行したペクチン物質の解析:培養液中の80%アルコール不容性画分を分別し、ウロン酸、ペントースなどの分析を行ったところ、果肉の数倍あり、酵素処理によって細胞壁多糖類の可溶化が進むものと考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 元村佳恵: "アスコルビン酸水溶液におけるペクチン性物質による紫外吸収の低下抑制"園芸学会雑誌. 68別1. 335-335 (1999)

  • [文献書誌] 奈良一寛: "リンゴ果実の粉質化の難易と細胞壁ガラクトース残基の糖結合様式の変化"園芸学会要旨 東北支部. 平11. 23-24 (1999)

  • [文献書誌] 元村佳恵: "ブドウ挿し木苗における葉から根への光合成産物の転流と代謝"Journal Amer.Soc.enol.Vitic.,Japan. 10(2). 84-85 (1999)

  • [文献書誌] MOTOMURA Y.: "Internal browning of apples during storage"Abst.Seian Sem.Jpn-Chn Core Univ. Syst. Exch. Prog.. 1999. 1-6 (1999)

  • [文献書誌] 奈良一寛: "Aspergillus niger 由来のペクチナーゼによるリンゴ果肉の崩壊および細胞壁多糖の変化"園芸学会雑誌. 68別2. 440-440 (1999)

  • [文献書誌] 元村佳恵: "ブドウ結果枝の茎における葉から果房への光合成産物の転流経路"J.Amer.Soc.Enol.Vitic.,Japan. 10(1). 20-27 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi