アーキアにおける炭酸固定を明らかにする目的で、本年度は好塩アーキアとしてHalofeluxのRubiscCOを、また好熱アーキアとしてAcidianusの新規炭酸固定経路に関して以下の実験を行った。 (A)好塩アーキアHalofeluxのRubisCOについて、本菌の培養条件を貧栄養・微好気等の各種条件で培養した後、得られた菌体から無細胞抽出液を調製した。得られた抽出液を、陰イオン交換クロマトグラフィー・ゲル濾過カラムクロマトグラフィー等に供することにより、クロマト的に単一なRubisCO標品を得た。さらに、標品を用いて、至適pH・至適温度・熱安定性・pH安定性等の各種蛋白化学的性質を調べ、アミノ末端アミノ酸配列を調べた。また、こうして得られたアミノ酸配列を基に、RubisCO遺伝子の単離を試みた。 (B)好熱アーキアAcidianusの炭酸固定経路と推定した3-ヒドロキシプロピオン酸サイクルの鍵炭酸固定酵素アセチル-CoAカルボキシラーゼ・プロピオニル-CoAカルボキシラーゼについて、アビジンを用いた電気泳動後の検出方法を用いることにより、分子量の推定を行った。さらに、それぞれの蛋白質の精製を進め、各種クロマト的手法を組み合わせることにより、クロマト的に単一な標品を得た。
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