研究課題/領域番号 |
10460040
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清水 昌 京都大学, 農学研究科, 教授 (70093250)
|
研究分担者 |
小川 順 京都大学, 農学研究科, 助手 (70281102)
片岡 道彦 京都大学, 農学研究科, 助教授 (90252494)
小林 達彦 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (70221976)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
キーワード | 高度不飽和脂肪酸 / アラキドン酸 / γ-リノレン酸 / シトクロームb_5 / 不飽和化酵素 / Mortierella alpina |
研究概要 |
アラキドン酸生産性糸状菌Mortierella alpina 1S-4を対象に、油脂蓄積性の糸状菌から初めて一つのまとまった脂肪酸不飽和化反応系を分子レベルで解明した。すなわち、脂肪酸不飽和化に関与するミクロソーム電子伝達系の構成要素であるcytochrome b_5とNADH-cytochrome b_5 reductaseのcDNAおよびゲノム遺伝子のクローニングに成功した。また、本cDNAを大腸菌および麹菌で発現させ精製し、その諸性質を明らかにした。また、ステアリン酸をオレイン酸へ不飽和化する△9-desaturaseのcDNAおよびゲノム遺伝子、オレイン酸をリノール酸に不飽和化する△12-desaturaseおよびリノール酸をγ-リノレン酸に不飽和化するΔ6-desaturaseのcDNAのクローニングに成功した。また、それぞれのcDNAの麹菌での発現に成功し、菌体の脂肪酸組成を改変させ、それぞれの菌体中にオレイン酸、リノール酸、γ-リノレン酸を蓄積する糸状菌の分子育種に成功した。 一方、Mortierella alpina 1S-4の各種PUFA生合成変異株の取得を試みた結果、Δ6-desaturaseの活性が低下した変異株ST66株を取得した。本変異株においてはリノール酸が蓄積するとともに、リノール酸がΔ6位不飽和化反応を受けずに鎖長延長され、ついでΔ5-desaturaseにより不飽和化された20:3Δ5が蓄積した。以上、化学変異の誘導により、希少不飽和脂肪酸を生産する糸状菌の育種に成功した。
|