• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

突然変異体を用いたプラシノステロイドの生合成とその調節機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10460050
研究種目

基盤研究(B)

研究機関理化学研究所

研究代表者

藤岡 昭三  理化学研究所, 植物機能研究室, 先任研究員 (60165355)

キーワードプラシノステロイド / 生合成 / プラシノステロイド生合成変異体 / アラビドプシス / 矮性変異体
研究概要

これまでに見いだされたプラシノステロイド突然変異体は、いずれも、暗所では、胚軸の伸長抑制、子葉の展開、光誘導性遺伝子の発現等が見られ、明所でも、矮性、頂芽優勢の減少、雄性不稔等、極めて興味深い形質を示す。本年度は、プラシノステロイドの生合成変異体である可能性の高いアラビドプシスの矮性変異体を用いて解析を進めた。
det2については、原因遺伝子がクロー二ングされ、哺乳類のsteroid-5α-reductaseと高いホモロジーを有することが明らかにされていた。内生プラシノステロイドやステロールの定量分析および重水素標識体を用いた代謝実験の結果、det2は(24R)-24-methylcho1est-4-en-3oneから(24R)-24-methyl-5α-cholestan-3-oneへの変換段階に欠損のあるプラシノステロイドの生合成変異体であることが明らかとなった。また、dwfl/dimの原因遺伝子は既にクローニングされていたが、その機能については不明のままであった。この変異体について詳細な解析を進めた結果、24-methylenecholeStero1からcampesterolへの変換段階に欠損のあるプラシノステロイドの生合成変異体であることが判明した。さらに、dwf5とdwf7については、brassinolideやその生合成前駆体によって成長が回復することから、プラシノステロイドの生合成変異体であることが予想された。内生プラシノステロイドやステロールの定量分析の結果、いずれの変異体も内生プラシノステロイドはほとんど検出されず、24-methylenecho1eStero1やcampesterolのレベルも著しく減少していることから、変異部位は24-methylenecholesteroよりも前であることが示唆された。標識メバロン酸およびコンパクチンを用いた代謝実験の結果から、dwf5とdwf7は、それぞれΔ^7-stero1-C7-reduction、Δ^7-sterol-C5-desaturationの過程に欠損のあるプラシノステロイドの生合成変異体であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 藤岡昭三: "ステロイド系植物ホルモンプラシノステロイドの生合成とシグナル伝達" 化学と生物. 36・11. 695-697 (1998)

  • [文献書誌] Choe, S., Noguchi, T., Fujioka, S., et al.: "The Arabidopsis dwf7/ste1 Mutant is Defective in the Δ^7 Sterol C-5 Desaturation Step Leading to Brassinosteroid Biosynthesis." Plant Cell. 11. 207-221 (1999)

  • [文献書誌] Choe, S., Dilkes, B.P., Gregory, B.D., et al.: "The Arabidopsis dwarf1 Mutant Is Defective in the Conversion of 24-Methylenecholesterol to Campesterol in Brassinosteroid Biosynthesis." Plant Physiol.(in press).

  • [文献書誌] 藤岡昭三、横田孝雄: "プラシノステロイドの生合成と情報伝達" 「植物ホルモンのシグナル伝達」「細胞工学」別冊 植物細胞工学シリーズ10 秀潤社, 10 (1998)

  • [文献書誌] Fujioka, S.: "Natural Occurrence of Brassinosteroids in the Plant Kingdom" Brassinosteroids:Steroidal Plant Hormones, A.Sakurai, T.Yokota, S.D.Clouse(eds.), Springer-Verlag, 25 (1999)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi