研究課題/領域番号 |
10460057
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
広瀬 正明 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (60026523)
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研究分担者 |
山下 穂波 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (90252519)
高橋 延行 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (20252520)
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キーワード | 食品蛋白質 / 機能特性 / オボアルブミン / オボトランスフェリン / 分子構造 |
研究概要 |
未利用蛋白質資源の食糧化には、原料に適切な物性上の食品機能特性を付与し、可食な食品形態に変換するための原理の確立が必要である。蛋白質の高次構造には、規則的構造のN型と完全変性状態のD型、及び部分変性したMolten globule型(M型)が存在するが、食品中ではM型が食品機能特性を発現に中心的役割を果たす。そこでモデル食品蛋白質として、卵白のOvalbuminとOvotransferrinを用いて高次構造変換機構の解析を行い、以下の成果を得た。 1. Ovalbuminに関する成果:本蛋白質を尿素存在下にD型とした後、巻き戻り構造形成反応を追跡したところ、巻き戻り中間体としてM型構造をとることが分った。このM型形成反応は、極めて高速なため、本研究で備品として購入した、微量ストップトフロー吸光蛍光光度計装置を活用することにより、その正確な検出が初めて可能となった。また、Ovalbumin遺伝子を大腸菌で発現させる系を用いて、部位特異的変異を入れたいくつかのOvalbumin分子種を調製した。これら変異分子種を用い、M型形成機構の要因を現在検討している。 2. Ovotransferrinに関する成果:高次構造変換の機構を調べるための基本として、N型の立体構造のデータが不可欠である。そこで、本蛋白質のアポ型のX線結晶構造解析を行い、N型の全立体構造を高分解能で解明した。また、卵白の加熱殺菌による起泡性の極端な低下が、Ovotransferrinの熱変性に基づくことを明らかにすると共に、この熱変性の防止策として、いくつかの陰イオンの添加が有効であることを見いだした。
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