研究課題/領域番号 |
10460060
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
眞板 秀二 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (50015864)
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研究分担者 |
清水 収 宮崎大学, 農学部, 助教授 (20178966)
丸谷 知己 信州大学, 農学部, 教授 (40112320)
黒木 幹男 北海道大学, 工学部, 助教授 (50002001)
宮崎 敏孝 信州大学, 農学部, 助教授 (50021077)
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キーワード | 水系 / 土砂輸送 / 不連続性 / 安定河道 / 水系網構成則 / 谷次数 |
研究概要 |
昨年度に引き続き各担当河川について水系網構成則の検討を行うとともに、黒木(本研究分担者)の安定河道縦断モデルを天竜川について適用し、土砂輸送の不連続性についての巨視的な評価について検討した。また、引き続き個別河川についての調査も行った。なお、今年度は、日本の河川水系における土砂輸送の特徴をより明らかにするために、日本と同様に変動帯にあるニュージーランドの河川、逆に安定大陸を流れるオーストラリアの河川との比較を試みた。今年度得られた実績は以下のとおりである。1.水系網構成則の検討から大井川上流域の崩壊ポテンシャル数を推定した。それは、各谷次数の流域合計面積と負の関係がある。2.天竜川のダム堆砂資料から判断すると、1960年代および70年代に活発であった土砂流出傾向が90年代になり沈静化する傾向にあるようにみえる。流域管理、特に森林の状況との関連を検討する必要がある。3.沙流川流域では比堆砂量と大雨雨量との関連を検討し、土砂流出の応答モデルを提案した。4.大藪川流域(一ツ瀬川支流)における土砂流出速度の計測から、この流域はムーアのモデルに見られるような典型的なサプライリミテッドの土砂流出過程を示し、土砂流出速度の減少率は流域面積、起伏度、平均水路勾配が大きいほど高いことが判明した。これらおよび海外河川との比較から、土砂輸送の不連続性の解明には、河道が供給土砂に支配される状態(供給土砂支配河道)にあるのか流水のエネルギーによって支配される状態(流水エネルギー支配河道)にあるのかの視点をもつことの重要性が明らかになった。
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