研究課題/領域番号 |
10460061
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 秀夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70126069)
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研究分担者 |
岩岡 正博 東京農工大学, 農学部, 助手 (40213269)
丹下 健 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20179922)
小林 洋司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00111394)
澤口 勇雄 岩手大学, 農学部, 助教授 (80302058)
猪内 正雄 岩手大学, 農学部, 教授 (10003782)
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キーワード | 里山 / 森林バイオマス / チッパ / 小型運材車 / 収穫システム / 残材 / 林地 / 養分 |
研究概要 |
森林バイオマス資源が周囲に豊富で、農業や畜産業に有効利用のポテンシャルが高い里山地域を想定し、末木や枝条などの未利用バイオマスの収穫利用に関して検討を行った。 1.運搬方法として里山の作業道整備と小形運材車の普及を想定して、荷台に柵を付けるなどの改良を加えたグラップルローダクレーン付小形運材車による収穫実験を行った。積載重量は枝条状態で最大積載重量の約13%、チップ状態で50%程度であった。 2.大形チッパの粉砕能率は小形チッパの5〜20倍であり、燃料消費量も1/3〜2/3である。粉砕費用にして小形チッパの1/5〜2/3である。 3.収穫システムの費用は5.03〜26.8円/kWhと計算され、チッパによる粉砕工程が早いほど安く、消費エネルギーも少ない。費用はヨーロッパ諸国と比較して3〜30倍になるが、今後、小形チッパの高性能化や残材の圧縮化などの研究開発により、格差を縮小できる可能性が残されている。なお、バイオマス収穫に要する消費エネルギーは、獲得エネルギーに対して数パーセント程度であり、エネルギー収支からは問題ないことが確かめられた。 4.枝条残材を搬出することによる林地の養分収奪に関しては、葉や枝に比べて十分に大きな養分量が土壌中に貯留されているが、非皆伐にして裸地化を抑制し、架線系集材方式などによって林地を撹乱しないように配慮することが望ましい。養分量の比率が非常に高い葉部を林地に残し、木質部を収集することができれば望ましい。
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