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1998 年度 実績報告書

スギ林冠の炭酸ガス固定機能の評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10460066
研究種目

基盤研究(B)

研究機関九州大学

研究代表者

斉藤 明  九州大学, 農学部, 教授 (30253511)

研究分担者 作田 耕太郎  九州大学, 農学部, 助手 (10274523)
玉泉 幸一郎  九州大学, 農学部, 助教授 (80205062)
キーワードスギ / 間伐 / 炭酸ガス固定機能 / 葉面積指数 / 吸光係数
研究概要

スギの間伐林分と無間伐林分の葉面積指数の垂直分布をプラントキャノピーアナライザー(LAI-2000)で、また、光強度の垂直分布を光量子センサーを用い季節を通じて測定した。無間伐林分の葉面積指数は、春から夏にかけて増大、秋から冬にかけて低下し、その変動範囲は6から8の間であった。このことから、この林分では毎年葉面積指数2.0が生産され2.0が落葉していることがわかった。さらに、最大の葉面積指数が8であったことから着葉期間は約4年間であると推定された。間伐林分の葉面積指数もわずかな年変動が認められたが、冬季の減少は少なく、約3年間で無間伐林分と同様の葉面積指数まで回復した。材積成長量を葉面積指数で除した値を葉の生産効率として算出した結果、間伐林分では葉の生産効率が高くなり、しかも、葉面積指数が無間伐林分まで回復した時点でも高い値を維持していることが明らかになった。葉面積指数が回復した3年目での葉面積指数の垂直分布を比較すると、間伐林分は林冠層を厚くして葉を分布させたのに対し、無間伐林分は林冠層が薄く、上部に集中させて分布させていた。このような葉の分布の違いが葉の生産効率を高くしている要因であると考えられた。
林冠内の光強度の垂直分布は林冠上部で高く下部で低かった。各高さにおける相対光強度と積算葉面積との間にはLambert-Beerの法則が成立し、各高さにおける相対光強度は積算葉面積指数との関係を維持しながら低下した。吸光係数は無間伐林分、間伐林分あるいは各高さともに類似した値であり、間伐林分と無間伐林分を含めて一つの吸光係数で表されることが明らかになった。これらの葉面積指数と光環境の変化を考慮することで、間伐が林冠の炭酸ガス機能におよぼす影響を評価できると考えられた。

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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