研究課題/領域番号 |
10460073
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
桑原 正章 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (40035978)
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研究分担者 |
白石 信夫 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70026508)
田中 文男 京都大学, 木質科学研究所, 講師 (10109069)
渡辺 隆司 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (80201200)
谷口 正之 新潟大学, 工学部, 教授 (00163634)
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キーワード | ペルオキシダーゼ / マンガンペルオキシダーゼ / ラッカーゼ / リグニン分解酵素 / フェノール性ポリマー / 担子菌 / やけいろたけ / かわらたけ |
研究概要 |
まず、Bjerkandera adustaの生産するマンガンペルオキシダーゼ(MnP)を用いる重合反応についての検討を行った。MnPを用いることによりグアイアコールを基本単位とするポリマーが生産された。IRおよびNMR分析により、ポリマーにおいては、基質に比べて水酸基が減少するが、エーテル結合、ビフェニル結合およびキノン構造が増加することが認められた。また、MULDI-TOF-MSを用いることにより、生産されたポリマーは基本構造がグアイアコールであること、分子量が約3200付近であることが明らかになった。さらに、熱分析の結果、明確な融点やガラス遷移点を有しないことが示された。さらに、ビニル化合物であるアクリルアミドからもポリマーが得られることが分かった。重合反応の過程において、カーボンセンターラジカルの生成が認められ、また、NMR分析によりポリマー中のアミドの立体的構造がアタクティックな構造をとることが示された。 一方、Coriolus versicolorやPycnoporus coccineusの生産するラッカーゼを用いてフェノールからゲル状のポリマーを得た。この反応は50%ジオキサンアセトン中でも起こった。また、o-クレゾール、o-あるいはp-メトキシフェノール、p-フェニルフェノールなどの重合反応を認めた。また、得られたポリマーについても熱分解を行った。
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