夜間可視衛星画像によるサンマ・イカ漁船分布の解析

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10460079
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 齊藤 誠一 北海道大学, 水産学部, 教授 (70250503)
• 研究分担者: 甫喜本 司 北海道大学, 水産学部, 助手 (00241373) ; 米田 国三郎 北海道大学, 水産学部, 助教授 (50001631) ; 桜井 泰憲 北海道大学, 水産学部, 助教授 (30196133) ; 長 幸平 東海大学, 総合科学技術研究所, 助教授 (90256199)
• キーワード: 夜間可視画像 / 漁船分布 / スルメイカ / サンマ / 海面温度画像 / 空間分布解析 / 海洋環境情報 / 回遊パターン

研究概要

本年度の研究実績の概要を以下にまとめた。
1.夜間可視衛星画像の収集・処理
米国軍事気象衛星DMSP(Defence Meteorological Satellite Program)搭載OSL(Operational Linescan System)センターデータの夜間のOLS可視画像について、1997年から1998年の2年間から日本海および三陸沖が晴れている画像を検索した。利用可能なデータを米国海洋大気庁へ注文し、入手できた夜間のOLS可視画像処理をおこなった。
2.衛星海面温度画像の収集・処理
まだ入手していない1997年から1998年の2年間のNOAA衛星18kmメッシュ海面温度画像処理をおこなった。
3.サンマ・イカ漁船分布の統計処理・解析
重心位置などを算出して漁船分布の動的特性を解析し、非定常予測を試みた。
4.漁船分布と海面温度分布との相関関係を解析
津軽海峡周辺海域を中心に解析した結果、温度前線から3〜6km離れた所にスルメイカ漁船が集中分布する傾向見られた。
5.函館山から津軽海峡で活動するスルメイカ漁船のデジタルビデオを用いて現場データを収集した。
6.サンマ漁船分布と海洋環境変動との関係で、1995年に起こった津軽暖水渦と黒潮暖水リングの合体現象がサンマ魚群の回遊経路を沖合化させたことが示唆された。

研究成果

• [文献書誌] Sakurai, Y.: "Changes in inferred spawning sites of Todarodes pacificus (Cephalopoda : Ommastrephidae) due to changing environmental conditions"ICES Journal of Marine Science. (in press). (2000)
• [文献書誌] 清藤秀理: "夜間可視衛星画像によるスルメイカ漁船分布の動的特性と非定常予測"統計数理研究所共同研究レポート124、時系列・時空間事象の統計的手法. 57-63 (1999)
• [文献書誌] J. R. Bower: "Distribution of Todarodes pacificus (Cephalopoda : Ommastrephidae) paralarvae near the Kuroshio off southern Kyushu, Japan"Mar. Biol.. 135. 99-106 (1999)
• [文献書誌] Odate, T.: "Distribution of phytoplankton abundance and physical properties in the southeastern shelf of the Bering Sea in summer"Polar Bioscience. 12. 1-12 (1999)
• [文献書誌] 伊藤 涼: "「DMSP/OLS夜間可視画像を用いた日韓漁業協定の効果評価」"日本リモートセンシング学会第27回学術講演会論文集. 143-144 (1999)
• [文献書誌] Cho, K.: "Fishing fleet lights and sea surface temperature distribution observed by DMSP/OLS sensor"Int. J. Remote Sensing. 20. 3-9 (1999)
• [文献書誌] 斉藤 誠一: "水産学シリーズ「漁業と資源の情報学」"恒星社厚生閣. 111 (1999)
• [文献書誌] 桜井 泰憲: "「水棲無脊椎動物の最新学」、(奥谷喬司・太田秀・上島励 編)"東海大学出版会. 341 (1999)