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1998 年度 実績報告書

麻痺性貝毒原因小型Alexandriumの分類と生態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10460084
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

福代 康夫  東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (10165318)

研究分担者 児玉 正昭  北里大学, 水産学部, 教授 (40050588)
松岡 數充  長崎大学, 水産学部, 教授 (00047416)
古谷 研  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30143548)
キーワード渦鞭毛藻 / Alexandrium / 麻痺性貝毒 / 有毒プランクトン / 有害プランクトン / 沿岸域 / 分類学 / シスト
研究概要

我が国沿岸各地より採集したプランクトン試料及び各地調査研究機関から恵与された試料につき、設備備品費で購入した蛍光顕微鏡を用いて種を査定したところ、Alexandrium ostenfeldii、A.insuetum、A.fraterculus、A.andersonii、及び正式記載のないA.sp.1994Pの5種が観察された。これらの種は全て固定試料中に認められたもので、毒生産能は調べられなかった。A.ostenfeldiiは北欧などでは主要な貝毒原因種として注目されているが、我が国では発生時に貝類毒化現象は認められなかった。A.insuetumは従来は無毒種とされていたが、南欧に発生する有毒種A.minutumと形態的に非常に似ているために両者の差を明確にする必要が認められた。A.fraterculusはわが国に発生する系群は無毒との報告があるが、ウルグアイでは麻痺性貝毒の主要な原因種とされており、今後両系群の形態の比較による、種の異同の確認が重要と考えられた。A.andersoniiは、北米で確立された系群は無毒であることが確認されているが、我が国では麻痺性貝毒中毒事件発生直後に採集された試料に他の有毒種に混じって発生しており、毒性の有無について早急に確認する必要があると考えれた。A.sp.1994Pは北太平洋で広く分布するようであるが、毒性を含めて本種の特性については何も解明されていない。このように我が国では、少量しか発生しないため報告の少ない種が、広く各地に出現していることが明らかとなった。これらの種については毒生産能を含めて生理生態に関する知見が乏しいため培養株を確立して研究を進める必要があるが、今年度は固定試料の観察を中心としたため培養株の作成が出来なかった。来年度以降培養株を確立し解明していく必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] F.J.R.Taylor: "The Neurotoxic Dinoflagellate Genus Alexandrium Halim: General Introduction" NATO ASI Series. No.41. 3-11 (1998)

  • [文献書誌] Kenji Nanba: "A handy piston core samplar for sediments in shallow water" Fisheries Science. 64(6). 985-986 (1998)

  • [文献書誌] 福代康夫: "沿岸の環境圏" フジテクノシステム, 635 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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