研究概要 |
Pasteurella piscicidaのゲノムライブラリーをコスミドおよびプラスミドベクターを用いて構築した。プラスミドベクターにより構築したライブラリーより、371クローンをランダムに選択し、583配列について塩基配列を決定した。決定した塩基配数は338,187bpであった。583配列のうち、459配列は既知の細菌遺伝子と相同性が見られたが、121配列は既知の遺伝子とは全く相同性が認められなかった。相同性が見られた配列の中には、リポポリサッカライド(LPS)合成遺伝子群、ホスホリパーゼ、赤血球凝集素、エンテロトキシン活性維持に必要なタンパク質等の病原性関連遺伝子と相同性のある遺伝子が確認できた。LPS合成遺伝子関与する遺伝子群をコードする1.5kbpのクローンには3遺伝子が存在し、これらはすべてLPS合成に関与する遺伝子であった。このことから、P.piscicidaにおいてもLPS合成に関与する遺伝子群はクラスターを形成しゲノム上にコードされていると考えられた。 Enterococuus seriolicidaの病原性株特異的抗体を用いた免疫学的スクリーニングにより、病原性株特異的発現タンパク質の一部をコードする5種類の遺伝子をクローン化し構造解析を行った。これら5種類の遺伝子は病原性の高いとされるKG-株ではmRNAの発現が見られたが、病原性が低いとされるKG+株でのmRNAの発現は見られなかった。5種類のうち一つのクローンはマクロファージの貪食に対して抵抗性を示すStreptocuccusのMタンパク質と相同性が見られた。
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