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2000 年度 実績報告書

ハンドウイルカの群れ構造と行動生態の解析のためのモニタリング手法の開発-気球を用いた上空からの群れ撮影とソノブイによる鳴音連続収録-

研究課題

研究課題/領域番号 10460086
研究機関三重大学

研究代表者

白木原 国雄  三重大学, 生物資源学部, 教授 (90196618)

研究分担者 古澤 昌彦  東京水産大学, 水産学部, 教授 (60281002)
石松 隆和  長崎大学, 工学部, 教授 (10117062)
粕谷 俊雄  三重大学, 生物資源学部, 教授 (00013574)
赤松 友成  水産庁, 水産工学研究所・漁業生産工学部, 農林水産技官
キーワードハンドウイルカ / 群れ構造 / 気球システム / 鳴音 / ソノブイ / 天草通詞島 / 長島海峡
研究概要

気球システム(ビデオカメラを装着した気球を空中に上げ、群れを上空から撮影するシステム)の実用化およびソノブイ(海中音響の自動連続計測装置を持つブイ)の高度化は目標レベルに達したので,鯨類の群れを鳴音受信により追跡する音響システムの開発に取り組んだ.
モニタリング手法開発の対象としていた鯨類は通詞島(天草下島の北端)周辺に現れるハンドウイルカであったが,ほとんどの個体が通詞島周辺から長島海峡(天草下島の南端)に移動したことを両海域での写真撮影調査から明らかにした.そこで主たる調査海域を長島海峡周辺海域に変更した.調査時期に悪天候が続いたために新音響システムの検証に十分な時間をとれなかったが,パッシブ魚群探知機方式により鳴音探知に成功し,高SN比聴音方式により雑音除去の効果が認められ,ステレオ聴音方式により鳴音を出した群れの方位が分かった.これら新システムを長島海峡の環境・生物雑音の特性に合わせたシステムへと改良すれば,目視追跡の不可能な夜間の群れ追跡が行える可能性を見い出せた.なお,測量機器のセオドライトを用いた群れ出現位置の連続計測は,高度が高く,見晴らしが良く,群れを長時間にわたって観察できる場所が長島海峡周辺になかったために,行わなかった.
識別個体の撮影履歴データを用いて,識別可能個体の死亡率を年あたり3.4%と推定した.また1994年から98年まで個体数は200頭前後で年々ほぼ安定していたことを明らかにした.気球システムから得られた群れ画像データを用いて,出生率を年あたり2.1%以上,出産盛期を春から秋と推定した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Yoshida: "Finless porpoise abundance in Omura Bay"J.Wildlife Management. 62・1. 286-291 (1998)

  • [文献書誌] 白木原美紀: "天草通詞島周辺海域におけるハンドウイルカの生態調査"月刊海洋. 30・9. 568-571 (1998)

  • [文献書誌] 白木原国雄: "沿岸性鯨類の保全"月刊海洋. 号外・17. 38-42 (1999)

  • [文献書誌] T.Akamatsu: "Ecolocation range of captive and free-ranging bniji, finless porpoise and bottle nose dolphin"J.Acoust.Soc.Am. 104・4. 2511-2516 (1998)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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