研究課題
基盤研究(B)
産直産地の広まりと展開をリードしてきた農民像と産地組織、環境保全型農業の技術水準、消費者・小売セクターとの提携・販売・交流事業の到達点を明かにした。1、産直産地。(1)広まり。「産直産地アンケート調査」(1260産地を対象に794回収)によれば、全国的広まりをもって展開しており、5億円以上の販売額をもつ組織は70、10億円以上40に達しており日本農業の有力なセクターへと成長しているとみてよい。(2)組織。組織形態は個人、任意団体、有限会社、農事組合法人、専門農協等と多様化しているが、農業者の自主的参加、理念と情報の共有、自己責任を原則とした生産と運営が産地組織の特質である。「利潤」は技術の開発と設備投資等に向けられ、リーダーは自立心に富み、学習能力、経営管理能力の高い点で共通している。(3)技術。先端の産地組織では、環境保全型農業技術の高度化を図りつつあるが、未確立な産地が圧倒的に多い。有機農業だけでなく、エコ農業の幅広い取り組みを重視し、総合的支援策を構築していくことが重要である。(4)販売。1990年代前半までは生協と共に成長してきた産地が多いが、近年は価格・栽培・報告書類作成等の条件が一方的に厳しくされている。組織として自立しうる価格・経営・販売理論と戦略が強く求められている。近年は中間組織を介在させない直接販売へ進出産地が増加している。2,農協の産直事業。農協共販事業の限界を明らかにし、組合員の多様化(既存農法の生産者、有機農業、直売に関心を持つ生産者等。)に対応した販売事業方式としてと、「一国二(多)制度」的事業方式を提案した。(「これからの農協産直-その「一国二制度」的展開」(家の光協会。2000年))
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