研究課題/領域番号 |
10460104
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
堀口 健治 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (80041705)
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研究分担者 |
寺本 千名夫 専修大学, 北海道短期大学・経済科, 教授 (40258710)
甲斐 諭 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70038313)
豊田 隆 東京農工大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00142836)
加瀬 良明 明治大学, 農学部, 助教授 (00204412)
飯澤 理一郎 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60184339)
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キーワード | 日本型コンビニエンスストア / 食品産業の産業組織論 / 食品産業の多国籍的展開 |
研究概要 |
1)経済全体がサービスのウェイトを強めている状況下で、食品産業も全体として食品加工から外食、中食、流通業の部門にその比重を移してきている。産業組織論は従来はメーカー対象の方法論が構築されてきたが、こうしたサービス主体の産業における寡占や競争についての分析手法は解明されていない。例えば日本型コンビニエンスストアの全国的展開も、不動産投資を避けフランチャイズで全国シェアをあげながら、情報独占がロイアリテイー収入の最大の武器である、という構造を有している。レストラン、ファーストフード店を含め、シェアの意味、価格競争の実態等に迫った。 2)一方、食品加工業は国内市場の成熟化を踏まえ、海外に資本展開を行い、多国籍企業化を果たしているが、それは各国毎の市場開拓、生産の一貫性を目指しており、グローバルな連携ではないという特徴が明らかになった。これは日本の特徴だけではなく、アメリカの食品加工業についても同様で、この点は自動車や電子関係とは異なる多国籍的展開である。もっとも流通業や商社等は、依然として日本の市場目当てに、中国等で買い付けや生産指導の形の関与による海外展開を行い、植物油やカップラーメン等の加工業が中国市場に参入しているものとの違いは顕著である。 3)中小企業を主体にしたローカルな伝統的加工業は、限定された市場を得意先として低い生産レベルでの安定性を保っている。大規模加工業との棲み分けとでもいうべき現象だが、この点も日本の食品産業の寡占度を理解する上で重要な問題をはらんでいるといえよう。
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