研究概要 |
4月から9月の6月ヶ間、水田水管理と農業機械の走行性の指標を表わすコーンペネトロメータによる貫入抵抗値を測定し、TDR土壌水分計から求めた体積含水率との相関性を求めた。その結果、稲刈期直前では降雨が無く晴天が連続する時期の作土層、耕盤層および心土層ともに体積含水率とコーン指数の間に線形性があることが解った。 暗渠埋設個所に土管暗渠直上に接して土壌水分センサーを埋設し、さらに暗渠埋設個所から30, 50, 100cm離れ、それぞれ深さ5, 12,40cmに土壌水分センサーを埋設し、水頭差80cmの暗渠から強制排水させて、水道メータにより排水量と圧力分布の変動を1時間間隔で10、11,12月の3ヶ月間測定した。測定結果は以前に有限要素法で行った浸透流解析結果に近似している。ただ、2本埋設した暗渠の1本は塩ビスリーブドレーンでもう一方の素焼き土管暗渠よりも3倍の排水量を観測した。暗渠素材の差によるものか水理的条件の違いによるものかを追求していく。 稲刈期における降雨後の地耐力の経時変化をみると、暗渠排水による浸透水量や地下浸透量よりも蒸発量による土中水分減少のほうが卓越して効いて地耐力増加に寄与している。この蒸発量の把握は、土層別にTDR測定による体積含水率の変動から求めた蒸発散推定値とN型減水深や計器蒸発計やポット蒸発散量および一般に用いられているペンマン法による計算値から推定して得た。これらの測定結果から湛水・非湛水によらず特に湛水が無くなり作土層の乾燥が始まり更に乾燥が進行して下層からの蒸発量も推定できることが解った。
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