研究分担者 |
本名 俊正 鳥取大学, 農学部, 教授 (90093624)
田熊 勝利 鳥取大学, 農学部, 教授 (40032297)
井上 光弘 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教授 (90032309)
取出 伸夫 佐賀大学, 農学部, 助教授 (70212074)
深田 三生 山口大学, 農学部, 助教授 (20116750)
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研究概要 |
1.ハウス内土壌水分制御下の点滴灌漑で野菜栽培を行い,品質,収量ともに適切な水分範囲があることを明らかにした.再生紙,黒ポリフィルム,シルバーフィルムの3種のマルチを用いて,ダイズ栽培比較実験を行った.同一灌水量の下で再生紙マルチ点滴灌漑区の生育が最も良好で水利用効率も高く,節水栽培として有用であった.2.土壌劣化の大きな要因は降雨や流水による表土の微細粒子の流出である.勾配が5°,10°,15°の3斜面に降雨を与えた場合と流下水を与えた場合の侵食実験を行った.流出土量,水量と50%粒径の経時変化を調べ相互関係を求めた.さらに流出土を採取して粒度分析を行い,原土と流出土の粒度構成(粒径比)を定義し経時変化等を調べた.塩類土壌における土壌流亡や土の劣化には,その土壌構造や透水性が大きく関わっていた.塩類土壌における土の団粒形成には,土の凝集・分散がどのように影響しているのかについて考察し,リーチング土壌やNa吸着比(SAR),Na交換率(ESP)の違いによる土のコンシステンシーや団粒形成効果について検討を加えた.3.乾燥地土壌に適用するESR-SAR関係式を確立するための基礎的データを得ることを目的として,土壌の陽イオン交換特性について,2種類の粘土鉱物を用いてNa-Ca交換特性を検討した.その結果,Na-Ca交換平衡溶液の濃度が低く,SARが大きい程,拡散二重層の厚さが増加し分散が引き起こされやすかった.また粘土含量の増加に伴い交換性Naの量は増大したがESPは減少した.風乾から懸濁状態までの水分量を持つベントナイトにTDRを適用しその特性を検討した.蒸留水を用いて水分調整をした試料においても,ECは非常に高く,不飽和になり始める60%(体積率)程度に最大ピーク値を持つこと,その領域ではTDRの波形の減衰が大きく,誘電率測定が不能なことが明らかになった.多段吸引流出過程と非定常蒸発過程の2段階からなる測定実験により,飽和付近から風乾水分量付近までの排水過程の土壌水分移動特性を迅速かつ高精度で測定する方法を考案した.
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