研究概要 |
本研究はトラクタに搭載できる程度に小型で,作物の窒素栄養ストレスが検出できるマシンビジョンセンサの開発を目的としている.屋外環境下で使用するセンサの開発は,どの波長領域の光エネルギを測定するかという点,また光源変化による誤差をどのように補正するかが重要な問題となる. 今年度はマシンビジョンを用いた植物の生育情報を検出できるNIR領域の波長を含むマルチスペクトルビジョンセンサを開発し,作物,土壌,雑草を識別する波形解析を行い,有効な認識アルゴリズム,モデル化手法を開発した。 1.COHU社製Multi-Spectrum Image Sensor(MSIS),Ambient Illumination Sensor(AIセンサ)をベースにしたセンシングシステムを構築して,植物の生長・栄養状態を検出できるシステム開発を行なった. 2.トウモロコシについて窒素基肥を0,5,10,18kg/10aに調整・設定した試験圃場を用意して,画像データから生育情報の抽出と記号化手法を検討した.試作センサのReference dataに高精度ビジョンセンサによる画像,SPAD値,Chlorophyll-aの液クロ分析値を採用し,ハードウェア・ソフトウェアの両面から作物生育センサを評価した. 3.最後に試作したセンシングシステムを用いて,圃場レベルでの窒素ストレスマップをGISによって作成し,試作センシングシステムの有効性を検証した.
|