研究課題/領域番号 |
10460123
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤原 昇 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (60150512)
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研究分担者 |
服部 真彰 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (60175536)
岡野 香 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (40038328)
宮本 元 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00026618)
宗 知紀 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (90221340)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 鶏 / 始原生殖細胞 / 初期胚 / 胚間移植 / 周縁精脈 / トランスジェニック / 生殖腺 / 生殖隆起 |
研究概要 |
最終年度であるが、当初の目的に対して完全な成果が得られた訳ではないが、将来に対して若干の示唆が得られるような結果を得ることができたのは幸いであった。それらを要約すると下記の通りである。 (1)体細胞と生殖細胞あるいは体細胞と胚盤葉細胞との電気的融合によって得られた細胞体をホスト卵の胚盤葉胚下に注入すると、明らかにキメラが作出される。しかも、それらの個体の中には、体の性とは逆の性腺が発達するという異常(奇妙)な現象が観察され、さらにその生殖腺には雌の遺伝子(W-染色体)に特有のバンドが確認された。このことは、将来において、鳥類に特有の現象である性転換の可能性も示唆しており、最終的には、W-染色体を有した精子の生産が可能となるかもしれない。 (2)鶏始原生殖細胞(PGCs)を異性間で移植すると、これもまた不思議な現象が観察され、上記と同様な個体が出現するという珍現象が確認された。この現象と上記の現象は、まったく同様であって、鳥類の性転換の可能性が大いに示唆された。さらに、これを利用しても、キメラ鶏の作出が可能となり、将来において、希少野生鳥類などの遺伝資源保存に対しても、大きな目安となりうるものと期待されている。 (3)さらに、これらのキメラ類似鶏を利用した同志交配を行って後代を得て、検定したところ、F1あるいはF2においても、それぞれの遺伝子が継承されているということが確認された。たとえが、これらに外来遺伝子をマーカーとして付着させると、次世代までも、それらがトランスファーされることが明らかとなったので、この手法は、トランスジェニック鶏作出に対しては、最も有効な技術となりうる可能性が示唆された。
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