研究分担者 |
五十嵐 郁男 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (80159582)
藤崎 幸蔵 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (00292095)
長澤 秀行 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (60172524)
井上 昇 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 講師 (10271751)
|
研究概要 |
住血微生物感染症、特にTheileria,Babesia,Anaplasmaなど赤血球を寄生部位とする感染症はわが国や周辺アジア諸国のみならず世界的にも広く分布し、それらによる経済的損害は甚大であり、その防圧が緊急課題である。特に個体レベルでの混合感染あるいは単独感染における原虫集団動態の解析は、病態解析や疾病制御上極めて重要な情報を提供する。これに関連して牛小型ピロプラズマ原虫(Theileria orientalis)感染においては、ピロプラズマ主要表面蛋白質(MPSP)の遺伝子型を異にする多種類の原虫集団が持続感染経過で交互に出現する現象が観察される。本研究では効率的に原虫集団解析を行う技術を開発することにより、原虫の免疫回避現象や持続感染機序を解明し、さらに野生動物をも対象として、個体内に存在する原虫相の解析を行う。 11年度はMPSPの遺伝子型を効率的に区別できる変性ゲル電気泳動法について各種条件(PCRプライマーの設計および増幅条件、変性剤濃度と勾配、泳動時間など)について見検討を行い、C型原虫亜集団の解析が可能な系を確立した。本年度は複数種の混在が予想される感染材料(牛あるいはスイギュウ)について、リボソーマルRNA遺伝子を標的とするPCRにより、感染血液中に存在するタイレリア原虫種の同定し、T.buffeli,T.mutans,T.sp,T.veliferaの存在を確認した。 T.parva感染リンパ球に由来するcDNAライブラリーを解析し、461クローンの部分塩基解析を行い、いくつかの遺伝子について染色体上にマッピングすることに成功した。
|