研究課題/領域番号 |
10460127
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今川 和彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00291956)
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研究分担者 |
中山 裕之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40155891)
澤崎 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00012047)
酒井 仙吉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80114487)
青木 不学 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20175160)
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キーワード | インターフェロン・タウ / プロモーター / エンハンサー / サイレンサー / プロテインキナーゼC / 転写因子群 |
研究概要 |
一年前からの継続しているプロテインキナーゼC系を誘導するホルボールエステル(PMA)刺激を中心に、インターフェロン・タウ(IFNτ)遺伝子発現の解析を行った。各種のデリーション、ミューテーションを含むIFNτ遺伝子コンストラクトを作成し、トランスフェクションやコ・トランスフェクション法により、上流域のプロモーター領域とエンハンサー領域を確定した(Endoctrine J,Biochemical J 研究発表参照)。さらに、IFNτ遺伝子上流域のサイレンサー領域を同定し(Endocrine J 研究発表参照)、胎盤細胞特異的発現を解析した(Biochemical J に投稿中)。したがって、IFNτ遺伝子発現はポジティブとネガティブの両方の作用により制御されている。これはIFNτ遺伝子発現制御機構の解明に、一歩も二歩も前進したことになり、当研究室が世界で半歩リードすることになった。 一方、アンチセンスは阪大の金田先生に調合していただき、アメリカ合衆国・農水省で繁殖・飼育されているヒツジの妊娠16日目(接着開始期)の胚仔を用いて、アンチセンスによるIFNτ遺伝子発現制御の解析を行った。しかしこの方法では、アンチセンス最大利用時においても、IFNτの産生量は30から40%しか減少させることができなかった。さらに、特異抗体を用いてもIFNτの産生量を充分に制御できず、機能解析や細胞の形態解析には至らなかった。このことは、IFNτの発現は遺伝子レベルでしか行えないことを示唆し、上述の切り口の正しさを証明することとなった。現在、上流域の制御モデルを構築するとともに、メチレーション・アセチレーションなどDNAやクロマチン構造を踏まえての解析をすすめている。
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