研究分担者 |
島田 清司 名古屋大学, 院生命農学研究科, 教授 (40065579)
都築 政起 広島大学, 生物生産学部, 教授 (70212058)
田淵 晃 信州大学, 農学部, 助教授 (50236725)
平松 浩二 信州大学, 農学部, 助手 (80238386)
高木 優二 信州大学, 農学部, 助手 (20226757)
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研究概要 |
ウズラ初期胚血流循環中の始原生殖細胞(PGCs)をニワトリ胚血流に導入した。ウズラとニワトリのPGCsを識別するために,3種のモノクローナル抗体,QCR1,QB2,2C9について,ニワトリおよびウズラ生殖細胞における免疫組織化学的染色性を調べた。QCR1とQB2はウズラ特異的であり,2C9はニワトリ特異的であった。さらに,3種とも発生段階特異的染色性を示した。ウズラPGCsを導入したニワトリ胚をHamburger and Hamiltonのステージ29で調べたところ,生殖腺にウズラPGCsが定住しており,全体の14.2%を占めた。ウズラPGCsを導入したニワトリ雄ヒナ精巣に外来のウズラおよび内在のニワトリの精原細胞の2つの集団が観察された.。PGCs導入によって得られたキメラ孵化個体を育成し,キメラオス4例から精液を採取し,正常メスウズラに人工授精を行った。受精率は7.6%と低く,孵化例は得られなかった。次に,性成熟したオスキメラの精子の分析を行った。キメラ精子を形態学的に識別することは精子数が非常に多いため困難であった。さらに精子からDNAを抽出し,PCR反応およびサザンハイブリダイゼーションを行った。鳥類のW染色体特異的配列を増幅するプライマーを用いたPCR反応において,キメラ精子DNAの増幅がみられた。しかしサザンハイブリダイゼーションでは,キメラ精子DNAにおいて鳥類W染色体特異的配列の検出はできなかった。以上より,ニワトリーウズラ間PGCs導入キメラにおいて,導入されたウズラPGCsがキメラ孵化後も生存し,かつニワトリ生殖腺内で配偶子に分化している可能性が示された。
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